三ヶ尻氏「・・・・・・・。えー・・・・・・・」
債権者「早く立て!」「ちゃんと説明しろ!」「だましたんだろ!」(罵声)
三ヶ尻氏「口蹄疫に関して・・・口蹄疫に関しまして、事件発生と同時に1万5,000頭の処分が必要ということになり、宮崎県の牧場は風評被害に遭い、皆さま方からの解約が相次ぎました。私どもの事業は、一挙に解約が重なりますと、牛の対応、資金の調達ができなくなります。
ですからこそ、30年かけて、私どもはできる限り、法を順守した形でどんなことがあっても、乗り越えていかなければいけないという気持ちでやってきました。すぐに資金が入ってくることになれば、またその対応も違ってきますが、来月、来月というように、結局は後半、または年度末にかけての入金という形になり、その間は資金繰りが難しい状況でした。でもなんとか、口蹄疫のすべての補償金などが3月に入金となり、風評被害も収まりつつあり、消費も伸びてきたように思いました。これなら、なんとかなると思っていた矢先の3月11日、東日本大震災が発生しました。
3月11日の大震災におきましては、本社がある那須町は、震災前と比較し、都会からの観光客が1割以下に減りました。ホテルや食品加工事業なども、売り上げが下がるというより、まったく動かない状況になりました。
ですが、4月の後半から5月の観光シーズンにかけて、少しずつ消費も回復し、ゴールデンウィークにはお客様も戻ってきてくれました。それが、ゴールデンウィークが明けた頃、福島第一原発でメルトダウンが起きまして、解約、解約、という状況に陥ったのです。
本当に、この数カ月、状況が一挙に悪化していったのでございます。でも、7月末まで決してあきらめませんでした。倒産というのは、牛を放置するということが、一番恐ろしいのです。放置すれば死亡します。死亡すれば腐っていきます。二次的な被害が出てくるかもしれません。そいうことを含め、苦しいなかで決断をしました。
『決して、倒産してはいけないんだ』という気持ちで、最後の最後まで、資金の調達に回っておりました」
債権者「だからだまされたんだ!」(罵声)
三ヶ尻氏「いいえ、だますつもりはまったくございません。こういう結果になったことは申し訳ないことですが、私は、だますことは、そんなことは考えたことはございません」
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