東電・福島第一原発の事故による放射能の影響で、屋外での活動が制限されている福島の子どもたち。そんな彼らを夏休み期間中に九州に招き、のびのびと遊んでもらおうというプロジェクトが始まっている。企画は、福岡のボランティア団体「チーム夢」(福岡市東区、吉水恵介代表)や支援組織「新現役の会」(福岡県久留米市、古賀直樹代表)などが、福島県郡山市のNPO法人「福島自然体験合校協会」(福島県郡山市、河内勉理事長)と連携して実現させたもの。
今回プロジェクトに参加しているのは、福島県郡山市内の小学4~6年生の児童14名。17日に福岡空港に到着した子どもたちは、6泊7日の日程で佐賀県武雄市やハウステンボス、福岡県八女市星野村などを訪問。地元の子どもたちとの交流や自然体験などを通じて、九州で夏休みの思い出づくりを行なう。
20日、それまで滞在していた佐賀県武雄市を後にした子どもたちは、福岡県八女市星野村に到着。星のふるさと公園内にある「星野温泉 池の山荘」にて入村式を行なった。入村式では財団法人星のふるさと理事長の江藤訓重氏が、「ここ星野村は、星がきれいに見えるところです。ここで新鮮な空気と美味しい水をたくさん飲んで疲れを癒し、元気になって福島に帰ってもらいたいと思います」と子どもたちに挨拶。続いて、星野村滞在中に子どもたちのお世話をするスタッフの自己紹介などが行なわれた。
その後、子どもたちは地元で行なわれている「上郷村まつり」に参加。ここでは、星野村に山村留学している子どもたちから、福島の子どもたち1人ひとりにプレゼントが渡されるなどのサプライズもあり、まつりを楽しんでいた。
今回、弟と一緒に参加している大和田泰洋くんは、「(今回九州に来て)楽しい!楽しくてめっちゃテンションが上がる。(九州は)福島と比べて放射能を心配しなくていいから、外でのびのびと自由に遊べるのがとにかく嬉しい!」と、満面の笑みを見せてくれた。
また、海老原穂香さん、磯貝すずさんの女の子2人は、「ハウステンボスは楽しかったし、佐世保バーガーはヤバイくらい美味しかった。武雄では(福島では入れない)外でのプールにも入れたし、外で遊べるのが何よりも楽しい。今日からの星野村では、川遊びがすごく楽しみ!ヤマメのつかみどりは絶対にやりたい!」、「九州はすごく楽しい。また来たい!」と、九州の感想を述べてくれた。
14名の子どもたちはこの後23日まで星野村に滞在し、23日のお昼ごろ福岡空港を出発して福島県郡山市へと帰る。
【坂田 憲治】