太陽光発電や太陽熱発電、風力発電や地熱発電など日本では様々な発電方法の開発が進んでいる。派手さはないが水力発電も「中小規模水力発電」という開発と実用に向けた取組みがなされている。
この中小規模水力発電については出力によってマイクロ水力発電などと呼び方が異なるが、身近な河川の流れを元に発電することにはまったく変わりはない。国をはじめ地方自治体や企業、個人にまで浸透すれば、明治時代のように水力発電が見直されるのではないだろうか。過去と大きく違うのは山間部からの急となる水の流れを受けて発電していたことから、安定した水量が確保できれば身近で発電が可能になるということだ。
とくに日本の潅漑用水は水力発電を考える上で莫大な将来性がある。1年あたり1.2テラワット(100万MW)の潜在利用量が見積もられていると聞かれるほど。 田んぼなどの横を流れる用水を利用してエネルギーに換えることが可能となってきたのだ。鉱山資源が少ない日本では、化石燃料やウランなど海外からの輸入に頼っている。その燃料も無尽蔵ではない。ということは、将来いずれかの時期に代替エネルギーの開発を行う必要があるということだ。
日本の新興期を支えた水力発電は身近にある"水"という自然エネルギーを活用してきた。今まさにマイクロ水力発電を含む中小規模水力発電は水力発電の見方を換え、他の循環型の自然エネルギーへの変換の急先鋒として地域社会に根付いていくことが期待されている。こうして発電のあり方を検討していくと循環型社会へ意識の高まりをみせるのだろう。
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