営業収入の柱のひとつ入場料収入は、実際にスタジアムに足を運んでくれるサポーターをどれだけ抱えているかの指標にもなる。2010年度のアビスパ福岡は2億600万円、J2で6番目。1試合平均して8,821人が入場した。2000年度のセカンドステージでは平均17,086人を動員したこともある福岡だが、09年度は7,763人まで減少。10年度は前年より平均して約1,000人の増員を果たした。
J2で最も入場料収入が多かったのは千葉の4億5,400万円。1試合あたり11,689人を動員している。甲府の入場料収入はJ2で4番目の2億9,700万円に止まっているが、平均入場者数は12,406人で最も動員数が多かった。
J1では、浦和は入場料収入、入場者数とも群を抜いている。入場料収入は2位の横浜FMの2倍以上の22億4,900万円。平均入場者数は2位の新潟より9,399人多い3万9,941人。前回触れたように減収傾向でなおこの数値を示す。成績が良かった06年度から08年度にかけては3年連続して1試合平均して4万5,000人以上を動員している。
来場者数と入場料収入の順位が必ずしも合致するものではない。単価×人数をどういう設定にするか。地域性、浸透度、経済基盤などを考えれば難しい選択を迫られる。
福岡がピーク時の動員力を回復すれば、現在のG大阪、清水、川崎クラスの動員に匹敵する。いずれも今では地域の高い支持を得ている。かつての来場者数のなかには、大量動員も含まれているかもしれない。ハードルは高いが実現しているクラブがあることを考えれば目指せないところでないだろう。
ただし、最も効率よく入場料収入を上げている清水でもその額は7億4,400万円。ホームスタジアムの収容人数を考えればこれで獲得できる額には限界がある。より多くの営業収入を上げるには各項目をバランスよく上げる必要がある。
【鹿島 譲二】
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