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東日本大震災

これからも継続的な受け入れを~「福島の子供たちを迎える九州体験企画」無事終了
東日本大震災
2011年8月24日 07:00

 17日から九州を訪れていた14名の福島県郡山市の子どもたちは、6泊7日の日程を無事に終え、23日の昼ごろに福岡空港を出発。福島県郡山市へと帰っていった。
今回の体験は子どもたちをたくましく成長させた 今回のプロジェクトは子どもたちにとって、単に安全な九州に来て思いっきり遊ぶ、というだけのものには終わらなかったようだ。1週間という長期にわたって親元を離れるのは「今回が初めて」という子どもたちも多く、今回の九州体験は良い"親離れ"の機会となったことや、14名での集団行動によって仲間意識が芽生えるなど、子どもたちそれぞれの自立を促す「研修教育」的な効果もあったようだ。
 「出発前に比べて、子どもたちは何だかたくましくなったようです」と、NPO法人「福島自然体験合校協会」理事長の河内氏は話す。

 今回のプロジェクトは、福岡のボランティア団体「チーム夢」や支援組織「新現役の会」などが、福島県郡山市の福島自然体験合校協会と連携して企画。今回の企画を立ち上げた1人であるJTB九州の山田育照氏のほか、佐賀県武雄市、福岡県八女市星野村などの自治体、全日空、新日本製薬、JTB九州などの企業からの協力のもと、実現へと至った。

福島自然体験合校協会 河内勉理事長 「福島の子どもたちは、目に見えない放射能の危険に晒されています。この放射能は、まだ人体にどの程度の影響があるかわからないため、子どもたちを外には出せません。体育の授業も外は中止です。屋外のプールも禁止で、郡山市内には屋内にプールを持っている小学校はありませんので、子どもたちは夏だというのにプールにすら入れません。お母さんがたも、夏休みにどこで子どもを遊ばせるかに苦労されていますし、子どもを心配するあまりに神経質になりすぎています。それでまた、子どもたちにストレスが溜まってしまいます。

 今回の企画は、そういった『子どもたちを水も空気も安全なところに』というお母さんがたの願いでもあったものです。今回参加している子どもたちの募集は、私が携わっているネットワークの会を通じて行なったのですが、定員が瞬時に埋まってしまいました。
 ただ、中学生以下の子どもは郡山市で約6万人、福島県内では約40万人弱もいます。もっと多くの子どもたちを九州に来させたいな、と思います」(河内氏)。

チーム夢 吉水恵介代表 また、チーム夢代表の吉水氏は、「我々以外にも、福岡、九州への子どもたちの一時疎開を支援するグループが立ち上がっています。それらのグループとも連携していきたいと思います。
 福岡はアジアマンス期間中に海外の子どもをホームステイさせたりしていますので、福島の子どもたちのホームステイというのもできるのではないでしょうか。たとえば、各企業さんが持っている寮の空いている部屋を借り受けたり、宅建協会さんと連携したりと、いろいろな企業、団体と協力しながら受け入れの枠を広げていきたいと思います。また、そういったモデルを九州各地に広げていけたら、もっとたくさんの受け入れができるのではないかと思います」と、今後の受け皿拡大の必要性を語った。

JTB九州 山田育照氏 さらに、JTB九州の山田氏は、「今回1回で終わりではなく、また冬休み、来年の春休み、夏休みと続いていく、息の長い活動にしていかなければなりません。継続するためのシステムづくりはいろいろと行なわなければなりませんが、今回の企画は『こういう受け入れができますよ』というそのひとつのモデルとして、ほかの市町村にも広げていければいいな、と思います」と、これからも継続的な支援を続けていきたいとした。

 東日本大震災での被災やその後の放射能の影響など、福島県が突きつけられている課題はとても大きく、事態の収束にはまだまだ時間が必要である。不安ななかで生活している福島の人々、そして子どもたちに対して、応援のメッセージを送ったり、できる範囲での支援を続けていくことは、同じ日本国民として忘れてはならないように思う。

(了)

【坂田 憲治】

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