福岡県は、8月16日に行なった日本脳炎感染源調査の結果、採血した豚10頭のすべてが日本脳炎に感染していたことから、県内で人に対する日本脳炎感染の危険性が高まっているとして、県民に注意を呼びかけている。
同調査は、国の感染症流行予測調査実施要領に基づき、毎年7月から9月にかけて計8回実施されている。県内で飼養された生後5~8カ月の豚を各回10頭ずつ、計80頭を対象として、太宰府市内のと畜場に出荷する際に日本脳炎に感染しているかどうかを県が検査する。豚は人よりも日本脳炎に感染しやすいことから、豚の感染調査はその地域における人への感染危険性の指標となる。ちなみに、8月16日現在の日本脳炎感染者報告数は、県内では報告されておらず、全国では2名。
日本脳炎は、ウイルスを持った蚊に刺されることで感染する。感染しても症状が出ない場合がほとんどだが、症状が出る場合には6日~16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐、めまいで発病する。発症した場合の死亡率は20%から40%で幼少児や高齢者では死亡の危険性が高く、小児では障害を残すことがある。なお、人から人への感染や感染者を刺した蚊に刺されても感染することはないという。
県は感染予防対策として、(1)蚊が活動する夕方から夜明けまでの時間帯に外出する際は、長袖、長ズボンを着用のうえ、露出する皮膚には蚊除け剤を使用するなどして蚊に刺されないようにすること、(2)蚊が発生しにくいよう水たまりをなくすなどの環境をつくること、(3)十分な栄養補給に加えて過労防止などの健康管理に努めること、(4)日本脳炎ワクチンの予防接種を行なうこと、を呼びかけている。
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