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コダマの核心

創出派vs守旧派の激突戦争時代(9)~四川大地震の復興政策から学ぶべきもの(前)
コダマの核心
2011年8月 9日 15:54

 今から約3年前の2008年5月12日14時28分(現地時間)、中国の中西部に位置する四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川県で、いわゆる「四川大地震」が発生した。広域名の四川省や地震規模を組み合わせて「四川汶川8.0級地震」とも呼ばれる。あれから3年――現在では就職や観光なども回復し、復興プロジェクトが完了。基本的な生活条件と経済社会の発展は総合的に被害前の水準に達し、または超えているとも言われている。東日本大震災の復興が遅れている日本とは何が違うのだろうか、現地取材を敢行した。上海特派員周記者のレポートを紹介する。

<行政の指導力は桁違い>

 中国の国家発展改革委員会などは今年5月10日、12日で被災からちょうど3年となった四川大地震後の復興状況について記者会見した。4月までに4万1,130件の国家復興事業のうち94%が完了したと発表。すでに計8,851億元(約11兆円)の投資を終えたという。被災した四川、甘粛、陝西3省で住宅約220万戸、学校約3,800校などを建設したとされている。
 振り返ってみるに、震災からの3年間、政府がどのような措置と政策で被災地を建て直し、これだけすばやく回復できたのだろうか。筆者は、東日本大震災が起こったこの機会に、改めて過去に自国で起こった地震の爪あとおよび復興の状況について、自分の目でたしかめることにした。

 今年7月初め、筆者はさっそく成都市に向かった。上海から成都までの距離は2,000km以上、特急列車で約15時間かかる。成都に到着するとすぐに、地震の被害が極めてひどかった汶川県映秀鎮に行こうとしたが、当日は折しも歴史的な豪雨だった。
中国の四川大地震 四川省民政局の報告によれば、7月1日以来、遂寧、宜賓、徳陽、アバ、巴中など14の市・自治州の64の県(区・市)で、豪雨による被災者は217万4,000人に達し、そのうち7人が死亡、8人が行方不明となり、また15万6,000人が緊急避難した。農作物の被災面積は17.96万haに達し、完全倒壊した家屋は8,333戸、直接被害額は24億2,900万元(約296億円)に上っているということだ(7月7日現在)。

中国の四川大地震 土砂崩れにより国道が寸断され、施工部隊は復旧に向け急いで突貫工事をしている。国道213号線あたりだけは大地震の影響で土がゆるく、今も大雨が降ると必ず寸断され、"生命線"は"生病線"となり、これから完璧に、総合的に復旧するのは5年またはそれ以上の年月を要するとも言われている。
 ともかく、一時的に汶川へ入れなくなっていたため、筆者はもう1カ所の都江堰市を目指した。成都から約70kmの距離で、そこも地震被害がもっともひどかった場所の1つ。上海が復興援助をしており、都江堰に入るとまず目に入るのは、1つは古くて秀麗な都市、もう1つは新しくきれいな都市だ。

(つづく)

【データ・マックス上海特派員 周 以平 2011年7月17日記】

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