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トリアス久山物語『夢の始終』(20)~開発推進要望書
経済小説
2011年9月 1日 07:00

<開発推進要望書>

 まずは、本藤の取りまとめにより、1995年9月、下山田地区の地権者会より、バリューセンター予定地の農地の土地利用の転換をしたい、という請願書が町議会に提出された。これを受けて、議会は請願書を採択し、佐伯町長に、バリューセンター構想を推進するべき、という意見書を提出した。

「久山町におけるプロジェクト調査研究会」が設置された... その結果、96年度に入り、役場内で具体化に向けての動きが始まった。
 まず、「久山町におけるプロジェクト調査研究会」が設置された。研究会は、正式会合だけで8回が開催された。この結果、「バリューセンターの誘致構想調査研究報告書」が取りまとめられた。

 この調査研究報告書は、商工会にも説明された。一方、より強く地域の意思を中央に伝えねばならない、ということで、下山田地区地権者会から、町長に、「バリューセンター開発推進要望書」を提出するようにした。

 これを受け、久山町は、市街化調整地域を指定替えするための、国土利用計画見直しに着手した。
 バリューセンターの建設予定地の大半は、農振用農地であったが、これを一転して商業施設の開発のための転用するということは、ハードルが高かった。
 しかし、これも当該エリアを農業振興法地域からはずすための、「農村活性化土地利用構想策定調査」に着手した。あくまでも地域の農業を新興するために、農地の転用を認めるのだ、という立てつけであり、バリューセンターでの地元農産物の販売機会の拡大(元気市の発足)などがうたわれた。
 大店法に基づく申請は、株式会社トリアスからなされ、町内のみならず福岡および糟屋郡内の各町と商工会に対して出店計画が説明された。

 96年も後半となり、県庁との許認可の折衝も大詰めとなった。

 事務レベルの折衝はすべて済み、県の担当者は久山町の担当者に対して、「もうこれで大丈夫です。書類がそろいましたので伺いを上げます」と、請合ってくれた。

(つづく)
【石川 健一】

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<プロフィール>
石川 健一 (いしかわ けんいち)

東京出身、1967年生まれ。有名私大経済学卒。大卒後、大手スーパーに入社し、福岡の関連法人にてレジャー関連企業の立ち上げに携わる。その後、上場不動産会社に転職し、経営企画室長から管理担当常務まで務めるがリーマンショックの余波を受け民事再生に直面。倒産処理を終えた今は、前オーナー経営者が新たに設立した不動産会社で再チャレンジに取り組みつつ、原稿執筆活動を行なう。職業上の得意分野は経営計画、組織マネジメント、広報・IR、事業立ち上げ。執筆面での関心分野は、企業再生、組織マネジメント、流通・サービス業、航空・鉄道、近代戦史。


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