熊本県内の食品スーパー2社が8月31日をもって事業停止し、破産手続きに入った。1社は熊本県内で「熊本生鮮市場」を5店舗展開する(株)進栄フーズ(本社:熊本市神水2-11-18、平野兼次社長)と、生鮮ディスカウントスーパーの鮮ど市場のFC店(人吉店)を運営していた (株)三河屋(本社:熊本市昭和町22-6、宮田澄孝社長)の2社。両社とも特に支払い遅延は聞かれず、何の前触れもなく経営破綻に至ったことで、「完全にノーマークだった」「まさかこんなに早く破綻するとは」と、取引先は落胆する。
このケースは、今年(2011年)7月1日に「チマキング」を運営していた福岡県久留米市の(有)くるめチマキヤが経営破綻したケースとも類似している。(有)くるめチマキヤの破綻は、一部の取引先には事前に支払遅延や支払のジャンプ要請が確認されたものの、金融機関を含む大半の取引先には滞りなく支払いがなされていた。このため最終的に負債総額がふくれ上がったとも言われている。
「正直、破綻の懸念があるスーパーはいくつかある。しかし、最近のケースは支払遅延がないまま、突然、支払ができないことを告げられ、翌日破綻するというもの。たまったものではないよ。このままでは企業に対する評価をもっと厳しくしなければならない」と、食品メーカーは、相次ぐ地場スーパーの経営破綻危ぶむ。
九州内の食品スーパーを含む小売業の主だった倒産は1月の(株)ニューマルシン(本社:飯塚市)、都城大丸運営の大浦(株)(本社:宮崎県都城市)が相次いで民事再生法の適用申請を行なった後は、大規模な食品スーパーの破綻はなかったが、ここに来て、相次ぐ倒産が発生。同時に、各地の食品スーパーに関する問い合わせが増加しているのも事実である。
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