2012年に閉園を予定している学校法人筑紫海学園 香椎幼稚園（1955年４月１日開園）で行なわれていた幼児教育が、グリーンコープ連合が新たに幼稚園を設立し、引き継ぐかたちで『存続』へと向かうことが明らかになった。
　同幼稚園は、公立大学法人福岡女子大学の敷地を借用しており、同大学の建て替え工事にともない、借りていた土地を返し、2012年に閉園することが運営する学校法人筑紫海学園によって決められていた。

　この決定に対し、50年以上続いてきた香椎幼稚園の幼児教育を存続させるべく、保護者が「香椎幼稚園維持存続運動委員会」を2009年９月に設立。同幼稚園の教職員や卒園生を含む地域住民とともに存続運動を開始した。同年11月、存続を願う約６万人の署名を集め、福岡県議会へ請願を提出。その後も、「地域に残すべき教育」として同幼稚園の特長を訴える新聞を作成・配布するなどの運動を行なってきたが、筑紫海学園理事会の「閉園」の決定は覆らなかった。

　存続を願う地域住民の声に賛同したグリーンコープは、香椎幼稚園の移転・存続に関して当初、同理事会に事業承継を持ちかけたが交渉は決裂。そこで、新たに幼稚園を設立し、香椎幼稚園の教職員を雇用し、保護者たちの意見を反映させるかたちで教育ノウハウの存続を目指すかたちとなった。

　香椎幼稚園の幼児教育が存続することについて、同幼稚園の田北園長は取材に対し、「保護者の方たちの運動があったからこそ。今まで先輩たちがやってきた教育が認められたことでもあり、うれしく思っています。香椎幼稚園の教育の存続へ向けて、着実に前進していると感じています」と、心境を語った。田北園長自身も、こども３人を同幼稚園に通わせており、その教育のよさを知る親のひとりとして、ひと安心といった感じだった。

【山下　康太】

▼関連リンク
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・地域に愛される香椎幼稚園、その理由（１）～はじめに
・「食育」をテーマに～香椎幼稚園新聞・第２号発行

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