＜北九州銀行の誕生の行方<３>＞
国内で活動する銀行、銀行持株会社および各地の銀行協会の会員は、一般社団法人「全国銀行協会」を組織しており、我が国の銀行界を代表する団体。正会員（123会員）、銀行持株会社会員（３会員)、準会員（63会員）、特別会員（60会員）で構成されている。
・正会員は、大手行（12会員：都銀５、信託銀行４、埼玉りそな・新生・あおぞら銀行）、全国地方銀行協会員（63会員）、第二地方銀行協会員（42会員）、どの協会にも所属していない銀行（６会員：セブン銀行、野村信託銀行、中央三井アセット銀行、シティバンク、JPモルガン・チェース・バンク・ナショナル・アソシエーション、農林中央金庫）の123会員。
・銀行持ち株会社会員は三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、みずほフィナンシャルグループの３会員。
・準会員は、外国銀行や上記協会に所属していない銀行など63会員。ジャパネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行、イオン銀行、住信SBIネット銀行、大和ネクスト銀行などインターネットの普及により新ジャンルの銀行が増えている。
・特別会員は日本の全地域にある銀行協会。北は札幌銀行協会から、先述した北九州銀行協会、南は沖縄県銀行協会など60会員。
昨年９月に経営破綻し、初めて「ペイオフ」が適用された第二日本承継銀行（旧日本振興銀行）の売却先に、総合小売り大手イオングループの「イオン銀行」が有力になった。第二日本承継銀行を管理する預金保険機構はイオン銀行が提案した事業計画を精査し、今月中にも最終決定することにしている。
今回は準会員同士による銀行買収交渉ではあるが、インターネットの普及により新業態の銀行が急速に普及してきている。金融に詳しい専門家は「今後は準会員主導よる正会員との提携や買収」もあり得るとの見方をしており、新興勢力の台頭は既存の銀行にも大きな脅威を与えることになる。
７月に全銀協の会長に就任予定であった西堀利頭取（当時）は、みずほ銀行が東日本大震災後の３月19日～21日にシステム障害を起こし、給与の振り込み処理が大量に滞るなどの大きな混乱を招いた責任を取って辞退。全銀協会長には三菱東京ＵＦＪ銀行の永易克典頭取が就任した。
ちなみに石原東京都知事の肝いりで設立された「新銀行東京」（既存のBNPパリバ信託銀行を公有化する手法で発足したため、信託銀行４行が加盟する信託協会の準会員）は、設立当初の経緯から全銀協への加盟が認められていない唯一の国内銀行である。
【北山 譲】
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