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自立する地域社会

【宗像特集】「淳風美俗」のまち・宗像 潤沢な観光素材をどう生かすか(中)
自立する地域社会
2011年9月14日 07:00

(社)宗像観光協会 代表理事 吉武 邦彦 氏

<豊かな海と魚>

 ―宗像市における観光協会の位置付けは。

 吉武 行政の観光はハード面の取り組みが大きいかもしれません。我々は基本的に会員さんから会費をいただいて、1人でPRするよりも広く人をたくさん集めることで、より効率的に地域外へアピールするお手伝いをしています。行政からの補助金、それに会費や収益事業で運営しております。ただし、我々役員は手弁当です。
 農業者や漁業者の生きがいづくりの場所としては、「アクシス玄海観光物産館」というのがありました。これは、今の「道の駅むなかた」につながっています。
道の駅むなかた 道の駅は(株)まちづくり宗像を運営団体とし、宗像農業協同組合・宗像市商工会・宗像漁業協同組合・鐘崎漁業協同組合・宗像観光協会が出資して会社をつくり、指定管理者ということで公設民営というかたちで運営しています。5年目を迎えましたが、場所を貸す、商品を出せる条件というのは、宗像市および福津市地域で生産されたものか、加工されたものといったことがあります。
 ここでは商品はある程度売れるのですが、それがこの地域の産業振興に直接つながっているかといえば、そうではないところもあると思います。市長もそこを悩んでいるはずです。商工会も観光協会もそうですが、会員さんの売上を上げるための取り組みをしていかなければなりません。
 一方で、その人たちの商売が1人勝ちにならないよう、その収益をつかってまちおこしの事業をしなければならないということでしょうね。市民や出品者に還元したり、観光客にその収益をどんどん使ったりしていけば良く、また「道の駅奨学金」というのを市に提案しています。これは、子どもたちの奨学金として使ってもらおうと思います。
 ただ、我々は純粋な民間企業ではありませんから、なかなか難しい部分もあります。トップダウンでいかないところもありますから。

 ―ここではどんな魚が獲れるのですか。

 吉武 玄海灘はアジ、サバ、ブリに加えてイカも多いですよ。釣り堀 魚種は多種多様です。やはり宗像は漁業の街ですから、本当はもう少し水産に力を入れていきたいです。しかし、これからはそれだけで飯を食えず陸上がりする漁師も増えてくるでしょうから、そうなると魅力は半減します。道の駅もアクシスのときより、さらに漁業者の人が出品しやすいようにはしてきたつもりです。

(つづく)

【文・構成:大根田 康介】

≪ (前) | (後) ≫

<プロフィール>
吉武 邦彦吉武 邦彦(よしたけ くにひこ)
 1955年9月、福岡県宗像市神湊生まれ。78年東海大学海洋学部卒業後、ロイヤル(株)に入社。83年家業である(株)魚屋に入社し、現在は代表取締役を務める。長く宗像のまちおこしに関わり、(社)宗像観光協会代表理事のほか、まちおこし組織「玄海未来塾」代表、アクシス玄海物産館の企画・立案・運営責任者、宗像・玄海合併推進市民グループ「宗像人の会」発起人、玄海小学校PTA会長、「沖ノ島大国宝展」実行委員長、世界遺産登録推進組織「沖ノ島物語実行委員会」委員長、宗像大社氏子青年会会長、新観光物産館(道の駅むなかた)建設検討部会部会長など多数の地元の公職を兼務している。


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