坡平産業と福岡地区生コンクリート協同組合との組合加入における交渉が決裂し、白紙に戻ったことが複数の業界関係者からの話で判明した。

　坡平産業側に取材を申し込んだが、「わかる人が居ない」と、断りの回答。

　組合に近い関係者は、「妥結点を模索していたが、双方の折り合いがつかず話は流れた。もう暫くはこの話は出ないし、できないであろう」とコメント。決裂、白紙になった理由については、具体的に明らかにせず、「坡平産業さんと当組合との考え方が、あまりにもかけ離れていたことだ。シェア月間10,000ｍ³や価格の問題だけではないことはたしか。様々な項目でお互いの考えが違い過ぎた。先方の取り方は分からないが、坡平産業さんはわがままを通したかったということであろう。とにかくもうこの話はないだろう。ただ、坡平産業さんは抜きで、飯塚地区４社との広域化に向けての活動や話し合いは行なっていく」と今後について語った。

　関係者の話を総括すると組合側は、坡平産業とイーブンの立場であったことを示した。一方で、坡平産業サイドは福岡協組が頭を下げてくるから、交渉に応じた。それにも関わらず、白紙になるとはどういう了見だという見方。既に最初の入り口から双方とも考えが乖離していたことは、明白である。

　これによって、坡平産業は今後も変わりなく福岡地区への市場参入は継続されるであろう。その一方で、「セメント価格が、上昇することは間違いないのでそう簡単に、今までのような価格（7,000円台/ｍ³）で坡平産業が出荷できるかどうかは未知数だ」と述べる福岡市内の業界関係者。だが、坡平産業のミキサー車は福岡市内の現場で組合工場のミキサー車より多く見かける。まだまだ活況であることはたしかだ。また、坂平代表の営業力は誰もが認めるもので、セメント価格についても先手を打っていると語る関係者もいる。

　いずれにせよ、若干の価格上昇はあり出荷量が今まで通りの量よりか減少しても、現況坡平産業にとっては軽微であろう。だが、「福岡協組の対応を見ると、坡平産業の馬力が下降している可能性もある」と、地場アナリストは分析する。
　再び、福岡市内および周辺地区の生コン市場では組合と坡平産業の価格競争が激化する。各社各工場の今後の動向に注目である。

【河原　清明】

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