<北九州銀行の誕生の行方<6>>
社団法人全国地方銀行協会に加盟する地方銀行は63行であり、「北九州銀行」の加盟により、64行になる。
地方銀行協会が組織されて65年目。設立当初の1~4代までは出身銀行の生え抜き頭取が会長職に就いていたが、5代目以降からは6代目の諸田幸一氏(群馬銀行)、14代目の瀬谷俊雄氏(東邦銀行)を除き、大蔵省や日銀出身者がそれぞれの銀行の頭取に天下り、歴代会長として当局の意向に沿った形で、地方銀行協会の運営を取り仕切っていた。
第6代会長の諸田幸一群馬銀行頭取(生え抜き)が就任した1976年は三木内閣であり、政財界を巻き込んだロッキード事件が発生している。また第16代会長の瀬谷俊雄東邦銀行頭取が就任した2004年は、第二次小泉内閣の内閣府特命担当大臣として竹中平蔵氏(民間)が、引き続き金融・経済財政政策担当大臣を歴任し、金融改革を断行している最中であった。
第16代会長には中西勝則静岡銀行頭取(生え抜き)が、今年(2011年)6月に会長に就任している。地方銀行協会の会長ポストではあるが、官僚の天下り批判の高まりや民主党政権の誕生などその時代の政治情勢・社会情勢・金融政策の変化を敏感に反映した会長人事といわれる由縁である。
【北山 譲】
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