北九州銀行の誕生の行方＜10＞

　地方銀行協会に加盟する地方銀行64行（含む北九州銀行）の内、２行以上ある県は下記の通り。

１．地銀２行の県
　　・青森県（青森銀行43位・みちのく銀行52位）
　　・秋田県（秋田銀行41位・北都銀行57位）
　　・岩手県（岩手銀行40位・東北銀行62位）
　　・山形県（山形銀行49位・荘内銀行58位）
　　・新潟県（第四銀行23位・北越銀行46位）
　　・茨城県（常陽銀行5位・筑波銀行45位）
　　・千葉県（千葉銀行2位・千葉興業銀行42位）
　　・富山県（北陸銀行10位・富山銀行64位）
　　・岐阜県（十六銀行18位・大垣共立銀行22位）
　　・大阪府（池田泉州銀行17位・近畿大阪銀行29位）
　　・長崎県（十八銀行44位・親和銀行50位）
　　・沖縄県（琉球銀行53位・沖縄銀行54位）

２．地銀３行の県
　　・静岡県（静岡銀行3位・スルガ銀行30位・清水銀行56位）

３．地銀4行の県
　　・福岡県（福岡銀行4位・西日本シティ銀行6位・北九州銀行61位・筑邦銀行63位）

４．１県に地銀が２行以上ある銀行の順位について
（１）地銀が２行の県（１２府県）
　＜１＞２行とも低位の県（青森・秋田・岩手・山形・長崎・沖縄）
　＜２＞一方の銀行が圧倒的なシェアを持つ県（新潟・茨木・千葉・富山）
　＜３＞双方の銀行が中位の県（岐阜県・大阪府）
　注：大阪府における池田泉州銀行、近畿大阪銀行(りそなＨＤ100%出資子会社)は共に
合併により中位へ。
（２）地銀が３行以上の県（静岡・福岡の２県）
　＜１＞静岡県の場合、上位の静岡銀行、中位のスルガ銀行、下位の清水銀行
　＜２＞福岡県の場合、上位の福岡銀行・西日本シティ銀行と下位の北九州銀行と筑邦銀行の二極に分類される。

　都道府県の人口や経済規模により地銀の順位はほぼ決まる。福岡県の総人口は507万人（2011年８月１日現在）。地方銀行が４行あるのは全国でも福岡県だけであり、金融の激戦地と言われる由縁でもある。
　47都道府県のうち、地銀協加盟行が２行以上あるのは14府県。上位10行に福岡銀行と西日本シティ銀行の２行がランクインしているのは福岡県だけである。
　それに対して「北九州銀行」は福岡銀行、西日本シティ銀行それぞれのほぼ十分の一のボリュームでのスタート。今までは山口銀行の核の傘の下で営業していたが、今後は独立して生きていくことになる。周囲の期待とは裏腹に厳しい経営を余儀なくされることになる。

【北山　譲】

≪　（31）　｜　（33 ）　≫

*記事へのご意見はこちら

※記事へのご意見はこちら