中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
先月初旬、イギリス人公認会計士による、今年の中国大富豪ランキング(胡潤百富)が発表されたが、その補足資料として、世界の女性の富豪ランキングというものがある。そして、そのランキング50位のうち、実に6割を中国人女性が占めることがわかった。
50位以内に入っている中国人女性は33人。そのうち上位にランクインしている女性は、ほとんど自分で起業している人ばかりだ。それも広東省に本社がある企業ばかり。なお、広東省は女性起業家にとって最適な都市と位置付けられている。
今回1位に輝いた女性は、重慶市の不動産会社、ウー・ヤージュンさん(47歳)。ジャーナリストから17年前に、不動産業界に転身し、一代で財産を築いた。ウーさんが経営する「龍湖地産」という住宅開発会社は、サービスと品質の高さから、富裕層に人気で、おととしには、香港証券取引所に上場を果たしている。一族の資産は420億元(日本円で約5,040億円)に上るそうだ。
ちなみに、今年の全体のランキングでは、女性の活躍が目覚ましい。今年の富豪1000人のうち、女性の割合は15.5%に上り、過去最高だった昨年の11.2%を大きく上回る結果となった。ランキングを発表している胡潤百富も「中国の男女平等化が急速に進んでいる」と話しているという。
女性富豪ランキングの平均年齢は48歳だそうで、しかも裸一貫から財を築いたタイプが6割を占めるという。女性ならではのビジネスの勘が冴えているだろうが、今後「80後」、「90後」世代が台頭してくれば、中国では間違いなく「カネ」のない男性は女性から相手にされなくなりそうだ。
【杉本 尚丈】
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