(株)キューコーの2010年6月期の売上高は1億7,654万円。内訳は完工高が1,879万円、兼業による売上高が1億5,775万円となっている。08年6月期で4億5,062万円、09年6月期で4,263万円、上述したように10年6月期が1,879万円と大きく減少傾向にある。09年11月には建設業許可を大臣から知事に変更しており、建設業における完工高は大きく後退している。
過去に原発関連の工事を得意としていた同社だが、10年6月期決算においては、原発関連の建設工事はゼネコンから受注した「川内原発1号機南側改修工事」が完成工事分515万円、未完工事分1,810万円であった。事業縮小傾向でも原発関連の工事は手掛けていたと言える。
だが、「設業法が義務付ける専任技術者を05年以降常駐させず建設業の許可要件を満たしていないのに、九電や関連会社が発注した原子力発電所などの下請け工事を同年7月から5年間に少なくとも約5億6千万円分受注していた」との報道がなされたことが発端となり、急速に注目を集めだした。なおかつ、松尾博士氏が九電会長の親族として、その立場を利用してゼネコンらからの受注を行なっていたらしいとの話も出てきた。
たしかに、松尾新吾九電会長の親族なら、ご威光にあやかって受注しているのでは、と見られてもおかしくない。逆に、周囲は「松尾会長の親族なら...」と思うはずだ。その影響はゼネコンからの受注にあるだろう。同社は下請け100%の事業体系であり、さらに工事を下請けに出しているだろうが、少々、工事に関する技術力が劣っていても、その先には潤沢な原発マネーの存在があったからと思える。
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