中国で日本食を販売して約15年になるモリタフーズ。 業界を知り尽くしたトップがこれから中国進出を目指す食に関する企業向けに これからの中国で、どのようにすれば、日本食が売れるのかを語った。
<年々厳しくなる法規制>
中国には違法添加物があふれている。そのため、食品安全法や国家標準(GB)といったものが年々厳しくなる傾向がある。中国にあるハチミツは47.7%しか合格基準に達していない。食塩が工業用のものだったりすることは当たり前、ワカメが黒いビニールだったという逸話さえある。そして、今最も問題になっているのが「下水油」という問題だ。使い終わって下水道に流された油を、業者がかき集めてきて、不純物をの取り除いたうえ、もう一度、食用油として格安で売っているという現状がある。
ストリートで売られている食事はほとんどこの「下水油」が使われていると思う。なかには、三ツ星、四ツ星のホテルでさえも、「下水油」を使っているところがあるから驚きだ。そういう現状から、添加物の検査が非常に厳しくなっている。少し前に、輸入が認められていた食品も、いつの間にか規制が厳しくなって、輸入不可になっている食品も多い。言い換えれば、日本食には安全なイメージが定着しているので、このあたりの法規制の動きをしっかりととらえたうえで、中国でビジネスチャンスを広げるべきだ。
<商標登録で自己防衛すべき>
中国に進出した際、よく問題になるのが商標登録の問題だ。「コシヒカリ」も「讃岐うどん」も「白い恋人」も中国の誰かによって商標登録されていたという。うまく商標登録できたとしても、すぐに偽物が出てくるのが中国だ。食品にいたっては、ものすごく簡単にコピーされて、それがすごく売れる。ただ、商標登録をとっていないと、もっとひどいことになる場合が多いのだ。いまは「PL保険」などもあるが、中国での活動が担保されているかどうかを確認しておく必要がある。いずれにしろ、中国に進出する際には、まずは商標登録を申請しておくべきだ。自分の身は自分で守らないといけないのが、対中ビジネスの基本だ。
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