ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は10月21日、傘下の福岡銀行が同行の持ち分法適用会社である前田証券を、来春をメドに株式交換により完全子会社化することに、前田証券と基本合意したと発表した。
合併の方法は、前田証券の株主に福岡銀行FG株を割り当てる方式で、株式の交換比率は11月末を基準に決めるとしている。
福岡銀行は、前田証券の発行済み株式の20.2%を保有する筆頭株主であるが、2012年4月の完全子会社化によりグループに取り込み、証券仲介などの証券業務を強化し、競争力を高めるのが狙い。
一方前田証券は、08年3月期に3億1,700万円の当期利益を計上していたが、リーマンショック以降株式市況低迷の影響を受けて、3期連続の赤字(09年3月期~11年3月期)が続いている。
今期も東日本大震災や急激な円高による企業業績の悪化、また最近のヨーロッパの金融不安等により株式市況が低迷。証券業界全体が個人投資家の株式離れが続き、株式売買手数料などの減少により赤字からの脱却が厳しい状況のため、前田証券も福岡銀行の完全子会社となることに踏み切ったものと思われる。
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