<競争原理を活かしリサイクル活動の推進を!>
福岡市は、事業一般廃棄物運搬の事業について13社のみに許可を与えている。市が取り扱う範囲を超えていたということで、許可制で事業運営の権限を与えているのである。ただし、業者間の競争がなく事業の安定が見込めることから、許可を得ていない業者からは「事業系一般廃棄物運搬事業をぜひ行なわせてもらいたい」という声があがっている。
安定事業というメリットだけではない。今回の疑問のキッカケとなった多量の書籍を廃棄するケースでは、回収料金を受け取った後、リサイクルにまわして利益を得ることも可能となる。その上、「事業系の廃棄物は13社に限られています」とのうたい文句が機会を誘導する。
一般のリサイクル業者だとそうはいかない。基本は無料で回収するため、燃料費などは自分持ちとなる。そのなかから利益を生み出していかなければならないのだ。福岡県の資料によると、産業廃棄物収集運搬者は約3,980社にのぼり、競争は激しい。市の事業者指定は利権以外のなにものでもない。したがって、許可を要望する声は必然のものであるが、「昔からの慣例」が幅を効かせていることに加えて、職員も余分な手間をかけたくないようで、現行制度見直しの雰囲気は感じられない。
現在、福岡市では、廃棄処分されるゴミは年々減少している傾向にあるが、エコの観点からでも、気を緩めることなく、さらなるゴミ減量に努めなければならない。となると市民や企業にリサイクル活動を推進しなければならない。そのためには競争原理を活かし、皆でゴミ減量に取り組む風土を形成すべきだろう。高島市長には、風通しをよくすることをお願いしたい。
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