TNCの番組で高島市長が、韓国(釜山)に「追いつき追い越せ!」とした発言(10月29日)で市民が首をかしげている理由はすでにお伝えした通り。おそらく福岡市民のなかで最も憤りを感じたであろう日本トレイド(株)の山崎和則社長は、市長のコンテンツ産業への理解にも「?」となっています。
高島市長が福岡市におけるコンテンツ産業の振興に熱心な姿勢を見せていることには異論はございません。コンテンツ産業における収益とは、ライセンス・ビジネス(商品化の許諾などによって収入を得ること)であることもご承知でしょう。
ハリウッドが、福岡市の、それも『土地の処分に困っている人工島』に興味を示している理由について訝しがる声も少なくはありません。「いまどき、遊園地を作って客が来るのか?」と、"意味"がわからない人はそう反論します。
しかし、ハリウッド(米・VIACOM社)が、福岡市東区の人工島に、パラマウント映画のテーマパークと、芸術とエンターテイメントビジネスの包括的教育を行なう教育機関「UCLAエクステンション(パークで働いてお金をもらいながら教育を受けるインターンシップ)」をセットで作る目的とは、ライセンス・ビジネスのための『ショー・ケース』を作ること以外にありえません。
福岡や釜山の国際映画祭も、言うなれば『ショー・ケース』であり、決してたくさんのお客さんを呼ぶこと自体がゴールではないのです。客を呼んでコンテンツを見せつけた後に起こる、次の展開(ライセンス・ビジネス)が産み出す利益に比べたら、入場料や遊園地の乗り物代やグッズ販売の収益などは微々たるもの。さらに、『ショー・ケース』は、人材の育成にも効果があり、それこそコンテンツ産業の振興につながります。
ハリウッドの人工島誘致が実現すれば、福岡は『世界一のコンテンツ産業』を手に入れ、それこそ一度追い越された韓国・釜山をあっという間に抜き返す起爆剤になります。どんなに今勢いのある韓国が頑張っても、エンターテイメントですでに100年近くの蓄積があるハリウッドに追いつくことは極めて困難です。いわんや福岡をや、であります。高島市長のもとで、もう1度、検討してみてはどうでしょうか?
▼関連リンク
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