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高島市長へ愛の告知

寺島浩幸福岡市議「改革し続けることの必要性」(前)~シリーズ第56回
高島市長へ愛の告知
2011年11月 4日 16:15

市役所 高島市長が福岡市役所に初登庁されて、来月でちょうど1年となります。まさに「光陰矢のごとし」ですね。
 マスコミの世界から単身、福岡市役所に飛び込んで来られて、すべてが初めての体験で五里霧中の心境にもなられたことではないかと思いますが、それでも日々全力で駆け抜けたこの1年間ではなかったかと拝察いたします。

 「組織のトップは孤独である」と言われますが、私は今、市長室職員時代に当時の市長であった山崎広太郎氏の謦咳に接するなかで行政組織のトップこそ本当に孤独であると強く感じたことを思い出しております。
 私の手元に、山崎広太郎氏が福岡市長に初当選されたときの心境を語った文章がありますのでご紹介いたします。

 「勇躍、市役所に乗り込んだと言いたいところですが、実際のところは、敵地にひとり落下傘で飛び降りるような、かなりの悲壮感をともなうもので、実際孤独なものでした。
 初登庁を前に、私は市役所の外で、重要施策について大まかなレクチャーを受けることにしました。選挙戦のなかで、サミットの開催に私が消極的であると受け止められているということもあって、いの一番のレクチャーはサミット問題でしたが、アイランドシティや九大移転、国際会議場など、私が公約で大規模事業の一斉再点検の対象に挙げていたものを中心にお願いしました。 さて、このレクチャーを数日間にわたって受けながら、私は不思議な思いに駆られていました。私は5期20年市議会議員を務めており、そのうち6年間は議長の職にありました。その間、議員の立場の私は一貫して、当局の既成事実を聞かされ、ひたすら説得を受け続けてきました。しかし、数日後には市長に就任しようとする私の前で、これまでと同じような「ご説明」が延々と続いていったのです。厳しい財政状況のなか、『こういう目的で始めたけれど、こういう状況の変化があって、こういう問題を抱えている、どうしたらいいだろうか』という話が聞けるのではないかと期待していましたが、すべての事業が問題なく、粛々と進行しているということでした。行政の『間違いがない-無謬性』『一度始めたら止められない-継続性』『悪い情報は上にあげない-秘匿性』、これらがこれからの戦いの真の相手になって行くと覚悟せざるをえませんでした」

 この文章にあるように、20年もの長期間の議員経験がある山崎広太郎氏でさえも、孤独の戦いを強いられていたことを知れば、高島市長においては、本当に大変な戦いの日々であると思います。若い力でぜひ頑張っていただきたいと願っております。

 さて、山崎広太郎氏が喝破されておられるように、「行政の無謬性、継続性、秘匿性」というのは、ピラミッド構造の行政(官僚)組織が抱える大きな課題であると思います。
 この課題を乗り越えるために、福岡市役所においては、市長・副市長のトップマネジメントの強化、行政評価制度やPDCAサイクルの導入、情報公開の徹底、DNA改革の推進などなど、様々な取り組みを行なってきました。

 私は、このような取り組みは、ある時点に到達したら「もうこれで終わりました」と完結するものではないと思っています。なぜなら、これらの課題は行政(官僚)組織そのものに内包されるものであるため、放置しておくと常に発生し続けるからです。

 したがって、常に改革し続けなければなりません。

(つづく)
【福岡市議会議員 寺島浩幸】

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