中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
中国の大手メディアは7日、中国高速鉄道の運転士が長時間にわたって居眠り運転している写真がインターネット上に出回ったことをうけ、鉄道当局が誤解であるとの見解を示したと報じた。
またも問題となったのは、中国版新幹線「中国高速鉄道」。そして、その問題の端緒となったのもまたもや中国版ツイッター「ウェイボ」だ。問題となった写真は、運転士が運転席の背もたれに首を曲げて寄り掛かっている姿で、福建省のモイから温州方面へ向かう列車が時速200キロ近くで走行中に撮影したとされる。その光景を目撃した人によると、運転士の頭が長時間ゆらゆらしているので、居眠りしていると判断し、写真とともに、中国版ツイッター「ウェイボ」に掲載した。そして、インターネット上に急速に広まったのだ。
これに対し、鉄道当局はすぐさま「誤解」の見解を発表、大手メディアが報じた。しかし、中国国民の間では、7月の浙江省温州市で起きた大事故の記憶もあり、インターネット上では、批判の声が上がっている。また、7月の事故で、運転士の過重労働問題なども浮き彫りになったこともあり、管理体制のモラルを問う声や運転士に対する同情の声なども上がっている。
中国では最近になって、事故や問題が起きると、最も早い"メディア"がインターネットで、その後、「火消し」に回る中国政府、その見解を報じる大手メディア、そして、政府によるインターネットの規制という流れの構図が出来上がっている。
こういう問題が起きるたびに、政府がいかに情報操作を図ったとしても、中国国民の「少しでも早く本当の情報を知りたい」という感情はもう止めることができないところまで来たのではないかと思えてくる。
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