今現在は、まだ日本での知名度が低い米競売大手のeBay(イーベイ)。しかし、来春からの実施を目指す日本郵便との提携で、国内シェアが大きく伸びるだけのポテンシャルを秘めている。なんといっても魅力は、豊富な出品数と国内の輸入業者に比べて割安な価格帯だ。また、Yahoo!オークションなどと同じく、過去の取引に基づいた出品者の評価機能を搭載しているので、海外ネット通販にありがちな、いわゆる"地雷"を引く可能性も低い。
かつて、ネット通販が普及し始めたころ、「店頭で実際の商品を見て触って品定めし、ネットで買う時代になった」などというセリフがよく聞かれたものだが、スマートフォンの周辺機器など海外メーカー製品に関して言えば、今後は「国内サイトで詳細な商品説明やユーザーレビューを読んで、eBayなどで海外から直接買う」という時代に移り変わるかもしれない。
この先、国内の輸入業者が、eBayや海外ネット通販に対抗するためには、「スピード」と「アフターサービス」、そして「ユーザーの囲い込み」が鍵になるだろう。ネット通販は、その利便性だけでなく、"届く楽しみ"もその醍醐味であるが、国内業者は物理的な優位性をアピールし、訴求する必要がある。
来年(2012年)には米ネット通販大手のアマゾン・コムの物流子会社「アマゾンジャパン・ロジスティクス」が佐賀県鳥栖市に、物流センターを開設する予定。現在は、九州への商品配達は最短でも翌日だが、これにより、地域によっては注文当日の配達も可能になるという。ネット通販において、スピードは最も重視されるべきサービスのひとつだ。
また、アフターサービスに関しては、海外通販の泣き所であるのは明らかで、大きなアピールポイントになる。そして、商品を購入することで貯まるポイントサービスや、一度購入したら、次回は送料が無料になるなどの優待サービスを実施して囲い込みをするなど、価格よりも価値をアピールした戦略を展開すれば、勝機は十分にある。
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