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第2回 【インタビュー】環境保全型社会における企業のあり方(4)~(株)ワイエルインベスト・山本社長
「人生」極める
2011年11月18日 07:00

<新しい環境ビジネス企業として飛躍>

 ――国際的な協力が必要なのですね。東日本大震災と福島第一原発事故が起こった2011年は、世界的に環境に対する意識が一層高まった1年でもありました。

 山本 大震災は災害、しかしその他は人災ですね。原子力の問題などは特にそうです。安全と言うのなら、なぜ安全装置を付けるのでしょう? 風水害なども、地球が危険な状態に陥っていることを示しています。気候変動というのは予想外のことが起こると言いますが、国連は異常な自然現象や災害の発生を予測し発信していました。25億人しか住めない地球に75億人が住んでいて、この人たちがco2をまき散らしているのですから、変わってきて当然です。

 ――しかし、地球温暖化の問題には様々な見解がありますね。経済成長のためにCO2を大量に排出している国や企業のなかには、排出権取引にも素直に応じられないと考えているところもあります。必要性は感じていても、難しさを覚えている企業は多いのではないでしょうか。

 山本 確かに様々な意見があり、どれを選択するかは其々の判断に委ねるしかありません。しかし地球上のco2排出量は増加する一方ですが、吸収する森や海は確実に減っているという事実をきちんと見た方がいいでしょう。そして温暖化も進んでいます。皆、タイの洪水は温暖化によって水位が上昇していることも察しているのでしょう。でも気づかないふりをしています。来年はもっとひどい災害が起きるかもしれません。私はそれに対して行動を起こしているだけです。最初に述べた自分の欲のためにですね。孫にお金を残すより、環境を良くするために、一本でも多くの木を植えたいのです。個人が一人でもいいから行動を起こさねばならなりません。

マングローブ ――社長の仕事はもっと注目されてもいいのではないかと思います。

 山本 ボンでの会議には、森林を守る団体が25組参加していて、5組が発表をしました。ヒマラヤに植林をしている団体も活動を発表していましたが、資金面、また事務処理の面でも難しさを感じているようです。所々の煩雑さを乗り越え、植林事業を継続しているのは当社だけです。発表する際「19世紀、フランスのシャトーブリアンが残した"森は文明の前にあった。砂漠はその後にやって来る"という一文を、ここボンから見れば地球の裏側であろう日本でも実践している者がいると思って話を聞いてください」という呼びかけで始め、日本でも古くから自然と共存するライフスタイルが営まれていた桑名藩の例で締め括りました。終わってみたら割れんばかりの拍手が会場に鳴り響いていて嬉しかったですね。思いは通じる、と手ごたえを感じました。

 ――インドネシアだけではなく、欧州の人々からも信頼を得ることが出来たのですね。

 山本 発表後、事務局長から「あなたたちの取り組みに、国はどのような評価をしているのか」と問われ、評価や援助なしに独自で取り組んできたと答えると、「それはいけない。おかしいですね」と首を傾げられたのも、自信に繋がりましたね。これ以降、経産省が腰を上げてくれたという感じがします。私たちのプロジェクトは、日本が発展するためのものでもあるのです。インドネシアはまだ広大な未開発の干潟を持っています。そのすべてにマングローブを植えたら日本が排出するco2を浄化することができるのです。加えて現地の人々の生活水準を上げるための技術や仕組みを使って、皆が協力して植林を続ければ、すごいプロジェクトとして発展するでしょう。また、マングローブの森が壊れかけた状態で残っています。6万haはありますね、ここを再生させようというプロジェクトも進めているところです。

 ――co2削減の必要性は理解していても、確信を持ってビジネスに転換するのは難しいものです。社長の先見の目はどのようにして培われたのでしょうか。

 山本 木を扱う仕事をしていましたからね。自然に接し、見つめ続けていたから環境が壊れかかっているのが解かるのですよ。地球上の空気か変わると森林の様子も変わります。自然を撮るカメラマンなどは、そのおかしさに気づいています。山の稜線の鮮明度の違いは、都会に住んでいては気づかないでしょう。最近オレンジ色の月がキレイだという感想文を読んだのですが、それは空気が汚れているからなのです。皆の審美眼が変わってきていますね。農業従事者や写真家などはおかしさに気づいています。UNFCCCに提出してHPに掲載された資料は、ひとりでも反対する人がいたら承認されなかったのですから、気付いている人は多いはずです。支持者も少しずつ増えています。

(つづく)
【黒岩 理恵子】

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