中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
日本ではまだまだ韓流ブーム真っ盛りだが、中国ではあるちょっとした出来事がきっかけで、韓流ブームが下火になっているという。そして、続いて出てきたのが、"タイ流"ブームだ。
中国ではタイのテレビドラマ「泰劇風」が、韓国や日本になりかわってブームとなっている。中国の大手メディアの調査によると、日本と韓国のドラマが合計で2,000票にとどまったのに対し、タイのドラマが8,000票を獲得し、特に若い層に受けているという。また、上海のタイ総領事がインターネット調査したところによると、「美しい風景」「俳優や女優がきれい」など、見た目が高評価を得ている模様だ。
中国で韓国ブームが下火になった原因がある。一部の韓国芸能人が、中国で短期間のプロモーションを行い、帰国後の記者会見で「中国を征服した」という発言をしたことがきっかけだという。この発言が中国人のプライドに火をつけ、反感を買った可能性が高いようだ。韓国メディアも、中国での「韓流」の売り方を慎重にしないといけないとクギを刺しているという。
それに代わって目立ってきたのが、"タイ流"だ。とはいえ、中国のテレビ局がタイのドラマを積極的に流し始めたのは、2009年ごろからだが、最近まで、火がついたというほどでもなかったという。それが、中国のインターネットポータルサイト「優酷」や「探狐」などにタイドラマの動画が立て続けに配信されたことがブームのきっかけとなっているようだ。
日本でもテレビ離れが進んでいるが、中国でも同様、ブームの火付け役さえも、テレビから「インターネット動画」に代わってきていると言えるのである。
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