中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
<中国メディアが「偏ったマスコミ報道が、中国人のイメージの悪さを助長」と指摘>
中国の地元メディアはこのほど、「なぜ外国人は中国人のイメージを悪く思っているのか」と題したコラムを掲載し、理由を中国人海外旅行者のマナーの悪さと、偏ったマスコミ報道が中国の悪印象をさらに助長していると指摘した。
コラムによると、中国人海外旅行者は年間1,000万人にもおよんでいるが、中国でも富裕層である彼らの、海外でのマナーが非常に悪いという。公共の場所で秩序を守ることができないことや、並ぶことができない、大声で騒ぐ、ポイ捨てをする、たばこを吸うなどなど、すべてが中国人のイメージダウンにつながっているという。また、これらを地元のメディアが過剰に報道し、中国のイメージの悪さを外国人に植え付けていると指摘している。
インターネット上では、国内の中国人の"奇行ぶり"が連日報じられている。アメリカのウォールストリートジャーナルは、中国に進出した、スウェーデンの家具大手IKEAが中国人の度を超えたマナーの悪さを写真付きで掲載し、シンガポールのメディアは、中国人のことを「本能むき出しの人種」と伝えている。
このコラムが掲載されて以来、中国版ツイッター「ウェイボー」では、「同じ中国人として恥ずかしい」「中国の教育が悪すぎる」「海外メディアのせいにすべきではない」などの書き込みがあり、マナーに関しては、何かと話題になることが多い。
一方で、日本の人材派遣大手、テンプスタッフが、今夏から上海で接遇やマナー研修サービス事業を始めるなど、中国人のマナーの悪さをビジネスチャンスと見る動きもある。
東日本大震災の報道で、日本人のマナーの良さが世界中に広まった。経済が成長すればするほど、世界の目が中国に向けられる。国民ひとりひとりのマナーアップは必要不可欠の時代に入ってきているのである。
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