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「北九州銀行」を誕生させた山口FGの歴史(26)
発信!北九州
2011年12月 2日 07:00

<山口銀行前身、第百十銀行の沿革(26)~鈴木商店の破綻(16)>

■帝國麥酒と百十銀行(2)

以下、山口銀行史より抜粋すると


 上記の書簡にある帝國麥酒(株)の支払手形約30万円は、当時(株)鈴木商店の割引手形残高約30万円の内、昭和2年4月から5月にかけて支払期日となっている未決済手形28万円を指している。これは同3年3月末の監査書で、(株)鈴木商店の回収不能債権と表示されている。
昭和3年12月末の監査書では、(株)鈴木商店の割引手形から帝國麥酒(株)の支払人口がなくなり、(株)鈴木商店に対する同年12月貸起の証書貸付8万7,232円77銭(同月末残7万6,561円79銭)および帝國麥酒(株)の同じく12月貸起証書貸付14万5,393円13銭と手形貸付5万8,150円が新たに計上され、いづれも回収不能債権とされている。
この3口の合計は約29万円で、先の(株)鈴木商店の割引手形支払人口残高とほぼ等しく、この帝國麥酒(株)の手形が振り替わったものとも見なしうる

要約すると、割引依頼人である鈴木商店が倒産し回収不能。商手支払人である帝國麥酒の手形を直接融資に振り替えて回収することにしたが、大蔵省検査では回収不能債権。帝國麥酒から櫻麥酒に社名変更(昭和4年)しているが、大蔵省の指摘を受けて一部を残し償却を実施。分割返済を受けて徐々に回収。

その後、昭和15年第1・4半期の監査書では割引62万円、手貸25万円と證貸4万3,278円33銭となっており、前年の14年6月および12月に割賦返済条件が履行されたことを示している。 以後の回収状況は資料がないため不明であるが、順調に回収されたものと思われる。しかし、無利息棚上げで整理に十年以上の日時を要しており、大口貸出が一度不良化した時の問題の大きさを表している。

帝国麥酒門司工場跡.jpg 櫻麥酒との取引は、割引62万円、手貸25万円は正常債権。鈴木商店倒産時の証書貸付は「無利息・利息延滞債権一覧表」に記載されていたが、その後分割返済が順調に回収されたことから、櫻麥酒に対するすべての貸出債権が正常債権となったと記されている。

1997年(平成9年)11月に経営破綻した北海道拓殖銀行やその後破綻処理された旧長銀、旧日債銀、足利銀行などは多額の不良債権を抱えたことが原因であったことが思い起こされる。

(つづく)
【北山 譲】

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