ことし4月の県議選で初当選を果たした椛島徳博氏。当選後は交渉会派に属せず、一人会派の「清進会」を結成した。選挙戦を通じ「市民党」を訴えてきたことが、その理由だ。椛島県議は大震災後の福島県などを回り、価値観の転換が必要だと感じたと話す。また「大阪維新の会」の圧勝にも触れ、これまでの発想で政治を進めていくことは難しい時代に入ったとも語った。(以下、要約)
<インフラ整備の進展を訴える―初質問で>
当選してから初めての一般質問を6月議会で行ないました。緊張というよりも8分間という短い持ち時間のなかで内容を1点に絞りましたが、思いを伝えるというのはなかなか難しいことを感じました。質問の内容は、県政全体というよりも、柳川の地域が抱えている問題―ローカルではありますが重要な県道「大牟田・川副線」の整備の問題でした。
柳川は干拓で拡がっていった地域です。干拓は低地であり、過去には大雨による洪水や渇水など水との闘いの歴史でもありました。干拓で拡がった地域であるがゆえに、堤防で仕切られ地域に住んでいる人たちの交流がしづらい環境にあり、そこを横断する道路と橋を造ってもらいたいというのが長い間の念願でした。しかし現実にはなかなか進展しませんでした。どういうルートなのか、なぜ遅れてきたのか、住民に伝わっていない現実がありますので、議会の質問で、今後の進捗状況も含め県当局にきちんと答弁をしてもらい議事録に残すことで地域の皆さんに伝えたいと考えました。
それと、3月に東北地方で起きた大震災と大津波を目の当たりにして、有明海沿岸地域の防災という観点から道路と橋の必要性を訴えたところです。いまは、干拓の間を移動するにも堤防で区切られていますので、車でも20分かかります。道路や橋ができれば数分間で往来できます。災害時の物資や輸送、避難時の移動を考えたら大変重要だと思います。
一般質問の後、県当局は架橋のための用地買収が始まりました。あとは地元住民の理解を得て工事に着手できるところになっています。
有明海干拓の3つの干拓にはそれぞれ特徴があります。大和地区には全国唯一の競艇学校、両開地区には「むつごろうランド」、また作曲家の古賀政男さんが『誰か故郷を想わざる』を作曲した際モチーフにしたといわれる昭代地区の風景があります。これからの観光を考えるとき、いまの4点セットといわれる「川下り、御花、ウナギ飯、白秋生家」に加えて、柳川の干拓地に足を伸ばしてもらうエリアをつくり、農業・漁業・街並みを括った観光の幅をひろげていく観光戦略が必要と思います。そのためにもインフラ整備は急がれていると思います。
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