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SNSI中田安彦レポート

2012年―「律令(霞が関主導)政治の打破」という大きな対立軸(1)
SNSI中田安彦レポート
2011年12月12日 14:25
2011年12月11日
副島国家戦略研究所 中田安彦

民主党本部.jpg 激動の2011年ももうすぐ終わろうとしている。12月9日で臨時国会は会期延長もなく閉幕されている。この臨時国会では東日本大震災・原発震災の復興予算を盛り込んだ第三次補正法案や復興庁関連の法案は成立したが、2年前の民主党への政権交代の本当の目玉であった、政治主導に関する法案は成立しなかった。復興増税や消費増税や社会保障負担増の前提となるはずの国家公務員給与カットや国会議員定数削減などコスト削減策は先送りになり、年末にかけて財務省主導で消費増税への地ならしが進むと見られている。

 この野田政権の「体たらく」に対し、野党の自民党の大島理森副総裁は、国会での予算の成立率の低さを批判してこう述べた。「(国政の責任者として)34%の法案成立率しかなかったということは、これは野球でいうと1割バッターそこそこです。もはや2軍に引き下がってもらわなければならんのです」と、解散総選挙を要求している。

 民主党が政権を自民党から奪いとって2年半近くが経つ。この間、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と首相はめまぐるしく交代してきた。首相が変わるごとに政治家としての質は低下していった。鳩山元首相などは政治手腕などで稚拙なところもあったが、彼なりに真摯に国民に向き合ってきた。菅首相も最後の最後で「脱原発」という未来ビジョンを描いた。しかし、野田首相は、国民に負担を押し付けることばかりを考え、「日米同盟強化」という外務官僚の敷いたレールに沿って動いている。内政では勝栄二郎・財務事務次官に安住淳財務大臣とあわせていいように操られている。

長島昭久補佐官.jpg 野田首相は松下政経塾出身者で脇を固め、外交政策では民主党随一の親米派である長島昭久補佐官(元米外交問題評議会研究員)を「通訳」に張り付けて、常に首相外遊に同行させている。ヘンリー・キッシンジャー米元国務長官のようなアメリカから要人が来ればわざわざ首相官邸に夜がふけた後でも招き入れるくせに、米国と並ぶ重要な国家である中国に関しては常に米国や外務省の顔色を伺いながら次の一手を打っている。

 野田政権はこれまでの鳩山・小沢や菅直人といったリベラル路線とは一線を画した政権であり、もともと自民党にいてもおかしくなかった、居場所がないので民主党に来たという保守タカ派政治家が主導し、それを元左翼で今は財界との交友もある仙谷由人・党政策調査会長代行や、小泉ブレーンだった竹中平蔵と似たような経済政策を持つ前原誠司らがまとめている。

(つづく)

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 ※参考:民主党執行部(民主党HP)

<プロフィール>
中田 安彦 氏中田 安彦 (なかた やすひこ)
1976年、新潟県出身。早稲田大学社会科学部卒業後、大手新聞社で記者として勤務。現在は、副島国家戦略研究所(SNSI)で研究員として活動。主な研究テーマは、欧米企業・金融史、主な著書に「ジャパン・ハンドラーズ」「世界を動かす人脈」「プロパガンダ教本:こんなにチョろい大衆の騙し方」などがある。




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