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SNSI中田安彦レポート

2012年―「律令(霞が関主導)政治の打破」という大きな対立軸(3)
SNSI中田安彦レポート
2011年12月14日 07:00
2011年12月11日
副島国家戦略研究所 中田安彦

 政治家はさまざまな層の国民の代表である。この国民のなかには自然人ではない組織団体なども含まれる。利益代表であるのは当たり前のことである。個別企業であってはいけないが、「業界の代表」としてその利益を重んじることは当然ではないか。政治家は「みんなの代表」であることはありえないし、幻想であるが、問題はサラリーマン層が自分たちの代表を育ててこなかったことにある。その意味では「個人献金制度」が手軽にもっと活用されなくてはならない。

 話は脱線するが、女性アイドルの「AKB48総選挙」に参加するために何十枚のCDを買うアイドルオタクが日本には居るのだから、政治家に個人が小口の政治献金をしやすくして、握手会でも開催すればいいのだ。政治家のパーティー券を買うことをマスコミは批判するが、あれだってAKB48の握手券と何も変わらないではないか。一方でAKBを持ち上げて一方で悪役である小沢を批判するのがマスコミだ。賢い人はマスコミのそのような偽善に気がついているのでますますテレビを見なくなる。大テレビ局なんか潰れてしまえば、いい。

小沢一郎 民主党代表.jpg このように見ていくと、政治家・小沢一郎の主張している内容こそが今も正しいことがわかってくる。私は自著のなかで「政治家・小沢一郎」論も書いた。小沢が雑誌や書籍で主張してきた政治哲学を解読してみた。そうすると、いわゆる「小沢軍団」という小沢一郎の意を借る政治家たちや取り巻きたちこそが、小沢の真意から最もかけ離れた政治家たちである。

 小沢一郎は「日本人にとって一番重要なことは、個人の自立である」と何度も言っている。自立した個人が自己の理性で判断し、行動することが大事であり、誰かの意を借るフォロワーであってはいけないと言っている。個々の政策論についてであれば、小沢一郎よりも詳しい「物知り専門家」のような政治家はいくらでもいる。しかし、このような根本的な個人の構えについて、時に気恥ずかしいほどの原則論を主張し続けてきたのは小沢一郎くらいだろう。その意味で私は、小沢は「政治屋」というよりは「行動する政治哲学者」だと思っている。

 しかし、小沢自身が政治資金の裁判を抱える身であり、また震災直後からの小沢のいくつかの行動は彼の衰えを感じさせるものもあった。そのひとつが6月の菅内閣の不信任をめぐる小沢の態度であり、もうひとつが党代表選挙で海江田万里を小沢派が担いだことである。

(つづく)

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<プロフィール>
中田 安彦 氏中田 安彦 (なかた やすひこ)
1976年、新潟県出身。早稲田大学社会科学部卒業後、大手新聞社で記者として勤務。現在は、副島国家戦略研究所(SNSI)で研究員として活動。主な研究テーマは、欧米企業・金融史、主な著書に「ジャパン・ハンドラーズ」「世界を動かす人脈」「プロパガンダ教本:こんなにチョろい大衆の騙し方」などがある。


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