中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
先月発表された、アメリカの調査機関のレポートによると、スマートフォンの出荷台数世界一が中国市場になったという。2011年7~9月の第3四半期に、中国市場では2,390万台のスマホが出荷され、アメリカの2,330万台を抜いてトップに躍り出た。メーカー別では、1位ノキア、2位サムスンで、両社のシェアを合わせると50%弱にまで迫る状況だ。
中国市場で、スマホが大きな伸びをしめしている背景には、中国のオンラインゲーム市場が拡大していることが挙げられる。中国のインターネット事情に関する報告を毎月行なっている調査会社アイリサーチによると、2011年の中国のインターネットゲーム市場の規模は、前年比18.1%増の414.3億円に成長しているという。
今年2月には、北京市郊外のインターネットカフェで、インターネットゲームにはまりすぎ、飲まず食わず、3日間もゲームをし続けた30代の男性が急死するという事件まで発生した。その時の報道によると、ネットゲーム中毒者は数千万人に上るという。
中国のスマホ市場は現在のところ、アイフォン、アイパッドが圧倒的に優位に立っている。富裕層の間では、かっこいいものを持っていることを見せびらかせたい意識がまだ根強い。それに加えて、金は持っていて、時間に余裕がある富裕層たちを中心に、スマホでできるネットゲームが爆発的に普及していると推測される。
不況にあえぐ日本でも、最近オンラインゲームのCMばかりが目につくようになっているが、「ヒマつぶし」のビジネスが、中国でも本格的に台頭してきているのと言える。
※記事へのご意見はこちら