「筑豊を盛り上げたい!」の掛け声の元、筑豊の地域情報に特化した携帯サイト「アラモバ」が誕生したのは2011年2月。当初は10社程度だった登録企業も今では100社を超え、月間アクセス数は15,000件に達し、開設から10カ月にして筑豊唯一の地域情報サイトとしての地位を確立しつつある。
「とにかく筑豊の町を元気にしたいんです。起業を思い立ったとき、筑豊にはフリーペーパーが3誌あるのみで、地域情報サイトは存在しませんでした。これはチャンスと思い、2カ月で携帯サイト『アラモバ』を開設しました。思い立ったら即行動の姿勢は今でも大事にしています。」と語るのは、株式会社マルハチの代表、飯田将之氏、若干28歳だ。
『アラモバ』の戦略について飯田氏に聞いた。
「筑豊の町は居酒屋や飲み屋などの客層が20~30代と若いのが特徴です。しかし、天神や中洲の様に、地域のお店やクーポンに関する情報が少ないんです。今後はますます携帯での検索が増えていきますので、PC用サイトは作らず、携帯サイトに特化することで若年層の情報ニーズに応えていきたいと考えています。」
同社の社員は皆筑豊出身者、平均年齢は27歳と、サイトのターゲット層と一致している。そのため、ターゲットの欲しがる情報を的確に発信することができるのが強みだ。『アラモバ』は11年2月のサイト開設以来、アクセス数は順調に増加し、半年目には月間アクセスは10,000件を突破、直近の11月では15,000件に達している。また11年8月に『アラモバ』の雑誌版にあたる月刊誌AROUNDを創刊した。しかし、立ち上げ時には苦労も多かった。
「会社設立が10年の11月ですが、その当時はWebサイトの構築はもちろん、広告営業に関するノウハウもありませんでした。地域密着型の情報発信には、機動力が大事です。コンテンツ制作に外注を使っていては間に合わないので、制作作業を社内で完結できる体制を作りました。日々勉強の毎日でした。今では自社サイトの更新はもちろん、月刊誌の制作も社内で行なっています。」
最近では、ロゴやパッケージのデザイン、チラシ制作などの依頼も増えているとのこと。このような広がりの背景には「人とのつながり」が欠かせないという。
「私たちは顔の見える営業を心がけています。自分たちも地域の一員として、お客様に関わっていくことが、次の仕事につながっていくと感じています。月刊誌12月号はサンタの姿で配布して回りました。自分たちも楽しみながら、筑豊を元気にしていきたいですね。」
人気のコンテンツは、ユーザー参加型の画像ランキング企画だ。「美女バトル」、「うちん子自慢コンテスト」、「ペットフォトコンテスト」など、自分の知り合いや、近所のお店が登場するこれらの企画は地元密着サイトならではのものだ。
「企画は毎月実施しているのですが、投票の開始日になるとメルマガの告知前から自然とアクセスが増えてきます。『アラモバ』の認知度が上がっているのを実感できる瞬間ですね。『アラモバ』のアクセスアップで掲載店舗に貢献できるよう、筑豊の街と共に弊社も成長していきたいと考えています。」
ユーザーのニーズを掴み、それらに素早く対応していく同社の取組みは、地域密着型ビジネスのお手本ともいえる。筑豊の街を、筑豊の内側から元気にしていく同社の活躍に今後も注目していきたい。
<COMPANY INFORMATION>
■(株)マルハチ
代表者:飯田 将之
所在地:福岡県鞍手郡小竹町大字新多1519-1
設 立:2010年11月
資本金:100万円
TEL:09496-2-0052
会社サイト:http://maruhachi92.jp/
携帯サイト:http://around-mobile.jp/
<プロフィール>
飯田将之(いいだ まさゆき)
1983年、福岡県鞍手郡生まれ。2007年より個人事業主として建設業に従事。10年11月「(株)マルハチ」を設立。携帯サイト「アラモバ」と月刊誌「AROUND」で筑豊の地域情報を発信している。
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