FIFA女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」。美しく強い「なでしこ」はスポーツ界だけではない。今、閉塞感ただよう福岡経済界において、男性顔負けでバリバリと働くパワフルな女性たちにクローズアップし、毎回ひとりずつ紹介していく。第6回は、自分自身の経験から、自分の経験や能力を社会に活かし、イキイキと生活する大人達、とくに社会で活躍出来る女性を多く輩出するべくセミナーなどを開催し支援を行なっている喜納弘子氏。前職の経験、やりがいなどの話を伺った。
<社会に出よう!>
元々、専業主婦であった喜納氏は、家事、子育ての合間に様々な習い事を行なったが、どれも続かなかった。「私は家庭人ではない、子育ての手が離れたら私は必ず社会で働くと決めていました」と、喜納氏は語った。
しかし、いざ社会に出る際、「取り敢えず社会に出ようとしか考えておらず、いかに楽な仕事かという基準で仕事選びました。」と、喜納氏は語る。そんな喜納氏が始めた仕事は営業事務で、営業所には営業所長、技術、喜納氏の3人だけであった。当時の会社は、固定電話関連から、インターネットへと商品がシフトした後であった。商品変更の影響か、営業所長の営業は振るわず、営業所の2人には仕事がなく時間だけが過ぎていった。たしかに本人が望んだ楽な仕事ではあったものの「これでは嫌だ」と思ったという。
<ダメで元々、やってみよう>
そんな状況のなか、営業職へ転向の話が来た。「営業経験もなく、通信システムの提案をする会社で商品・サービスのことが全くわからない。しかし、現状のままでは営業所が閉鎖になるので、ダメ元でやってみようかと営業をはじめました」(喜納氏)
何もわからないので、一生懸命、すぐ調べては対応することを繰り返しているうちに商品がどんどん売れるようになった。2,3年後、喜納氏は営業所長になり、社員も増え10人程度になった。売上も毎年伸び、入社10年目には、年間2億円の予算が持たされるほどになった。
順調に思えたが、リーマン・ショックにより状況は一変。マンションが建設されなくなり、最も仕事を貰っていたデベロッパーからの受注がなくなった。予算が大幅に達成できず、リストラもあり得る状況となった。
「精神的に追い込まれ、私がなんとかしなければという気持ちが強く、つい部下に仕事を押し付け、組織にとってマイナスな行動をとってしまいました」と、当時を振り返る。
営業所長として、様々な方針を決め、部下にそれを押しつけ、出来なければ怒ることもあり、仲の良かった営業所はバラバラになってしまった。
組織を立て直すために学びだしたのがコミュニケーションや心理学だった。その学びにより今までの間違い、そして自分の未熟さを知ったという。
「人が働くにあたり必要なモチベーションの事や組織が目標に向かってひとつになり力を合わせ進む方法などについて、私に知識があれば、部下をリストラすることもなく、いい方向にもっていけたかもしれません。きっと自分のような経験をしている人はたくさん居るでしょう」(喜納氏)
いよいよ営業所から3人減らすことになった時、喜納氏自身も退職を決めた。人がイキイキと働くことが日本経済にとって大切なことだと思い、ビジネスを中心とした学びの場を提供することを決意した。その後、1年間の起業準備を経て、起業した。
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<インフォメーション>
喜納弘子氏が代表理事を務める一般社団法人エイムアテインは来年(2012年)1月12日にアクロス福岡にてフォーラムを開催いたします。
■一般社団法人エイムアテイン主催
~夢実現フォーラム~ 若者が羽ばたける社会の実現に向けて
<日 付>
2012年1月12日 開場午後6時30分 開演午後7時~午後9時
<場 所>
アクロス福岡 1階 円形ホール
(福岡市中央区天神1-1-1)
<入場料>
1,000円
<お問い合せ>
一般社団法人エイムアテイン
TEL:092-477-8030
<COMPANY INFORMATION>
■一般社団法人エイムアテイン
所在地:福岡市博多区博多駅前3-25-24 八百治ビル5階
設 立:2010年12月
URL:http://aimattain.jp/
<プロフィール>
喜納弘子(きな ひろこ)
一般社団法人エイムアテイン 代表理事。1962年生まれ。福岡市出身。専業主婦を経て、10年間エフビットコミュニケーションで法人営業を行い、福岡営業所長を経験。退職後、2010年12月、同法人を設立。博多駅前でセミナールーム・ミーティングルームのレンタルおよびブラッシュアップのためのセミナーを開催している。
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