中国山東省青島市郊外のホテルで、日々変わり行く中国を観察している現地滞在のフリーライターがいる。福岡と青島を定期的に行き来している彼に、リアルな中国の今をレポートしてもらった。
北朝鮮の金正日総書記が死去したニュースについて、中国国内では、異様とも思える緊張感が漂ってきている。インターネット検索サイト最大手の「百度」では20日から一時的だが、「金正日」「金日成」など北朝鮮にまつわる文言が検索できないようになった。北朝鮮については、これまでインターネットを中心に批判的な書き込みが相次いでいて、中国政府が規制を強化することで、これらの書き込みを封じ込める狙いがあるとみられている。
中国の胡錦濤国家主席は20日、国内の北朝鮮大使館を弔問したという。そして、中国国内の朝鮮料理店では、ほとんどの店舗で営業が自粛されているようだ。北朝鮮との国境に近い東北地方の都市では、北朝鮮が哀悼期間とする29日までは、工場なども操業を停止するということで、中国政府が、この時期の北朝鮮を刺激しないよう配慮する姿勢があちこちで見受けられる。
そうしたなか、台湾では、老舗のテレビ局「中華電視公司」が19日のニュース番組のなかで、朝鮮中央テレビの女性アナウンサーのものまねをしたキャスターが、台湾総統選のニュースを読んだことが、国内で物議を醸している。同局のニュース番組はこれまでにもキャスターがあらゆるコスプレを披露し、親しみやすいニュース番組づくりを行なっていたということだが、視聴者からの多数のクレームを受け、翌日には謝罪放送を行なう事態にまで陥った。
中国本土、台湾、日本、アジア諸国が北朝鮮の今後の動静に注目している。
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