<温度差に落胆>
福岡市西区の若手地方議員Aは日々、悶々としている。彼は毎月、定期的に上京しているが、そこで志を同じくする同志たちと勉強会を開催しているのだ。1月末にも参加してきた。東京において肌で感じたことは「次回の解散総選挙において過去に経験のない政界の大編成が行なわれるぞ」ということである。「『橋下維新の会』、『みんなの党』など第三勢力が必ず200議席を奪取するな!!」という確信めいた風潮が周囲で流れており、同志たちも「この際、一気呵成に国会へ打ってでる」と豪語しているそうだ。
Aはこの中央の政治熱気に煽られて福岡に戻ってくる。ところがだ。福岡の周囲の政治状況を眺めると表面上では何ら変わり映えのしない現実が待ち構えている。「どこに第三勢力の登場があるのだろうか」と、温度差を感じ溜息をつく。「いやー、水面下では爆発寸前の動きがうごめいているよ。表沙汰になるのは時間の問題だよ」と、慰めの声をかける。「そう考えていらっしゃいますか。心強くなること教えていただきました。ありがたい。実は西区の住民たちと話をする内に直感しているのです」と、Aは身を乗りだしてきた。
<保守住民は怒り心頭>
Aの話は次の通りであった。まず、早良区、西区姪浜周辺の住民たちは都市部にあたるから『橋下維新の会』に共感を覚え、支援のエールを送る行為を選択することは自然の成り行きであろう。
また、西区北崎あたりで農業経営をしている方々はガチガチの自民党支持者だと思い込んでいたが違っていたという。彼らは昼間から酒を食らう。新年初頭に酒を交わした際、「民主党には裏切られた。もう許せん」と言われた。Aは、さらに「次回は自民党に躍進して貰わなければなるまい」という言動が発されると、予測していた。
すると、今まで自民党を支えてきた農民たちから「だからといって自民党に政権を任せたら日本の国をさらに悪化させ沈没させる。もともと国を弱体化させた張本人は自民党政権だ。我々も馬鹿ではない。様々な学習を積み重ねてきたからね。見る目はできてきたよ。やはり橋下大阪市長はたいしたものだ。公言したことは貫徹実行するところが凄い。国レベルでも橋下クラスのリーダーに運営を託したい」と、本音を明かしてくれたという。
「いやー、頭が下がります。我々、地方政治家は『改革』を叫べば役割を終了したと勘違いをしていました。しかし選挙民は『日本の社会を根底から造り直さないと国は滅びる』と生活感覚で痛感しているのですね。政治家はもう乗り越えられてしまいました。次回の選挙では一挙にマグマが噴出します」と、Aは目を輝かせて語った。
A議員よ、そもそもここ九州では、辺境の地・阿久根市の住民がその先駆けとなったではないか!! 政局の解釈はどうでもいい!! 君はこの都市福岡の改革をどうするのか、行動規範で示してほしい。そうすれば国会への道も拓かれようが――。
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