インターネットが急速に発展している中国には、数多くのニュースサイトが存在する。そのなかから興味深い記事をピックアップし、中国のいまを探る。
中国のタブロイド紙・新京報によると、50年間にわたり、優良な家庭の基準をつくっていた「全国婦人連合会」が、中国の「模範家庭」の選定基準に新たな選定項目を加え、名前も「五好家庭」(優良な家庭)から「和諧家庭」(調和のとれた家庭)に改めた。
北京市には約525万世帯の家庭があるが、主催する「北京市婦人連合会」などが2年に1度、模範的な200家庭を選出している。選出に際しては、時代の変遷とともに、新しい基準が盛り込まれる。例えば、「家庭でインターネットをよく利用する」や「蔵書が300冊以上ある」「家族でよく旅行や買い物、会食をする」など。この選定基準は、家庭内における調和、家庭と社会の調和、家庭と自然の調和という3つのポイントからなり、市街地版と郊外版があるという。
この基準に対し、中国版ツイッター「微博」では、「インターネットの時間と家庭円満とは関係ないのでは?」や「お金がない貧乏人は、旅行や買い物にしょっちゅう行けないので、選定資格がないのか?」などの疑問の声が寄せられているという。
1982年の選定基準には、「政治思想が良く、労働生産に励んでいる」「老人を敬っている」「一人っ子政策を実行している」「勤勉で倹約に励んでいる」などが挙げられた。1996年は、「愛国心があり、公益活動に熱心である」「男女平等の意識がある」「環境保護に努めている」など。2009年には、「勉強熱心で合理的な方法で教育する」「助け合いの精神を持っている」「環境に優しい生活を心がけ、公益活動に熱心である」などとなっている。
日本では流行語大賞などで当時の世相を読み取ることがあるが、中国では、「調和のとれた家庭」の選定基準から、今どきの、中国国民の世相を読むのも、面白いかもしれない。
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