簡易型ポケットチーフ「フィックスポン」を開発した川口祐也氏。大人の男性をより魅力的に見せるためのトータル・コーディネイトを手がける川口氏に「フィックスポン」の魅力と現在の市場、今後の展望などについて語ってもらった。
――フィックスポン・ジャパン(株)ではどのような商品を取り扱っているのですか。
川口 主力は「フィックスポン」という簡易的に使用できるポケットチーフですね。約4年前に会社を立ち上げ、現在は約2,000種類のデザイン(形状・柄)を百貨店にて販売しています。世に流通している数で言えば、500~600種類ぐらいかな。最近では、昨年の10月に日本へ上陸したイタリアのブランド「ボンバータ」バッグを取り扱っています。あとはオーダースーツなどもあります。基本的には男性ファッションのトータル・コーディネイトをすることを目的としています。
――まずフィックスポンをつくられたきっかけは?
川口 私の父がポケットチーフを毎日つける人でして。そのなかで、型崩れやチーフがポケットに入り込んでしまったりと諸問題がいろいろあるなと感じていたところ、母親が「型崩れしない、しっかりとしたポケットチーフはないものか」という言葉を受け、開発を始めました。最初は売り物にしようなどという考えはまったくなく、友人・知人に配るものとしてつくっていました。元々、両親がアパレル関係の出身なので、周りもアパレル業界の方が多かったんですが、配っていくうちに「これは商品化した方が良い」という声をいただくほど好評でしたので、商品化に行き着いたわけです。
――実際、使用された方からどのような感想がありましたか。
川口 最初のうちはチーフを付けたことがある方にしか評価をいただけませんでした。チーフ需要の少ないこの日本でも、ワンタッチで使えてオシャレなフィックスポンは、チーフをしたことのない方でも受け入れられるだろうという高評価だったんですが、そういった方々にはファッションアイテムとして魅力を感じられないものでした。理由の多くは「どのタイミングで使えばいいのかがわからない」ということです。そこでポケットチーフという存在を啓蒙することから始めないといけないと考えるようになり、(社)日本ポケットチーフ協会を発足させました。ですので、現在は全国各地でポケットチーフの楽しさを伝えるためのセミナーも行なっています。
――現在はどの年齢層が一番利用されていますか。
川口 市場的に需要が一番あるのは、男性ではなく女性なんですよね。ギフト需要といいますか、今まではプレゼントと言えばネクタイやハンカチなどが一般的ですが、それに飽きた女性たちがよく買ってくれますね。あとは主に冠婚葬祭の時に買われる方々です。東京だと、ファッションに対してアンテナを張っている方が多いので、百貨店に置いていれば結構買われる方が多いのですが、九州となると各メディアに宣伝してもらっているというのが現状です。
――川口社長が想う、フィックスポンの今後の展望を教えてください。
川口 元々、ポケットチーフ自体が海外から入ってきたものなので、日本ならではの付加価値を付けたいと考えています。和柄や博多の博多織、鹿児島の大島紬、京都の西陣織など、伝統工芸品の生地を使用した"ジャパニーズ・チーフ"として全国や海外に出せればいいなと思います。最終的な目標は、ネクタイ、ポケットチーフ、フィックスポンという流れで、第3の紳士アイテムまで成長させたいと思います。チーフをつけるという文化をまずは全国に根付かせていけるよう、頑張りたいと思います。
――今後の「フィックスポン」の動向に注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。
<プロフィール>
川口 祐也(かわぐち ゆうや)
フィックスポン・ジャパン(株)代表取締役。(社)日本ポケットチーフ協会代表理事、(株)アトラスコミュニケーション常務取締役を兼任。現在、フィックスポンを全国に広めるべく、活動中。
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