ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

最新金融情報

「休眠預金」年300億円~政府の成長資金活用策検討に銀行業界反発
最新金融情報
2012年2月17日 16:00

 政府は15日、起業支援などを検討する「成長ファイナンス推進会議」を開き、金融機関で10年以上お金の出し入れがない口座(休眠口座)の預金の一部を日本経済の成長マネーに活用する検討に入った。ただ、銀行業界では預金を政府が使うことに反発が強く、実現には大きなハードルが横たわっている。

 金融庁によると、休眠口座の預金は銀行(約750億円)や信用金庫・信用組合・労働金庫(約100億円)などを合計すると毎年約850億円以上発生し、うち約350億円は払い戻されている。 

残りの約500億円から法人税や口座管理費用を除いた300億円が、金融機関の雑収入になる仕組みとなっている。

0217_nagayasu.jpg 全国銀行協会のルールによると、最後の取引から10年以上お金の出し入れがない預金のうち、残高が1万円未満の場合や、残高が1万円以上で預金者と連絡が取れないケースを、休眠口座と位置づけている。

 たとえば子供のお年玉預金口座、学生時代に利用した口座、転勤により利用しなくなった口座や死亡した個人の口座などがある。残高が少額であったり、通帳や印鑑が見当たらないケース、住所変更や改印・通帳喪失届等の手続きが面倒臭いなどの理由で、放置されるケースが多いと言われる。

 銀行預金の場合は商法上5年、信用金庫などは民法上10年取引がないと預金者は権利を失うが、金融機関は休眠口座でも預金者の請求があれば払い戻しに応じているのが現状だ。

 この日の同会議(議長:古川元久国家戦略担当相)は、預金者から払い戻し請求のない休眠預金を新しい雇用や産業の創出につながる起業などの資金に振り向けることで日本経済の成長を後押しする方策などを今後の検討課題に掲げた。

 一方全国銀行協会の永易克典会長は、「預金者の払い戻しが残高の4割を占めていることや休眠口座の管理するコストの高さを指摘した上で、「休眠預金が預金者のものであることに変わりはない」と述べ、国による活用に疑問を示している。

 今回「休眠預金」がクローズアップされることになったが、元々休眠預金は預金者個人に帰属するものであり、国が手を出すものではないとの意見が多い。

 一方金融機関は管理コストが高いと言うが、休眠口座の預金を雑収入に計上することで恩恵を受けている。「休眠預金が預金者のものである」と言うのであれば、休眠口座を減らす努力を真剣に考えるべきではないかと思われる。それこそが金融機関に求められる本当の顧客サービスではないだろうか。

【北山 譲】

*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

最新金融情報一覧
最新金融情報
2012年7月26日 10:24
最新金融情報
2012年1月 6日 09:57
発信!北九州
2011年9月16日 17:58
最新金融情報
2011年9月15日 13:03
最新金融情報
2011年8月16日 13:30
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル