インターネットが急速に発展している中国には、数多くのニュースサイトが存在する。その中から興味深い記事をピックアップし、中国のいまをさぐる。
党と国家の法政を紹介することを目的とした、中国共産党中央政法委員会の機関紙・法制日報は、山東省済南市警察がこのほど、飲酒運転の違反者に対し、実名で公表すると発表したと報じている。
そして、報道があった前週の2月9日には、飲酒運転違反者260人の実名が公表された。済南交通警察によると、特に有名人は公務員の違反には厳しく処罰し、実名を公表するとした。この措置の効果は、今後経過を見守る必要があるものの、多くの市民から支持を得ているということで、プライバシーの侵害には当たらないとしている。
これまでの違反者は、飲酒運転で取り締まられた場合、たいていの人は職場を言おうとしなかったというが、今後は、会社員や公務員は、警察当局などにより所属する組織に書面で通知されるという。その結果、社会全体で「飲酒運転撲滅の気風」が作り出せるという。
中国の飲酒運転の罰則にあたる「道路交通安全法」は、去年5月に厳罰化となった。それによると、酒気帯び運転者には、1~3カ月の免許停止と罰金200~500元、酒酔い運転者には、15日以下の拘留、6カ月の免許停止処分、罰金2000元が課せられることになっている。また、危険運転罪なるものもあり、厳しい場合は死刑が課せられることもあるという。
日本でも飲酒運転に対しては、厳罰化の動きが顕著だが、交通マナーがとりわけ悪いイメージが漂う中国でも、厳罰化の動きが加速しそうである。
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