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資生堂の中国戦略(後)~日本的「おもてなしの心」でトップブランドへ
特別取材
2012年3月 2日 13:17

<花開いた日本的「おもてなしの心」>
 中国全土で、資生堂の知名度は高く、特に主力の「オプレ」は、その名を知らない女性はいないと言われるほどのブランドになっている。資生堂が目指すのは、「高級感」とともに、「ずっと前からあるよね」「お母さんが使っていたな」という信頼感と安心感。

AUPRES.jpg ハードとして、中国人の肌生理や気候、嗜好に合った商品を研究開発。ソフトとして、日本が古来より培ってきた"おもてなしの心"での丁寧な接客販売。その2つがハイレベルに絡み合ったことで、顧客満足度が高まった。現在では、中国西端の新疆ウイグル自治区カシュガルから南端の海南省まで、中国女性のハートをつかんでいる。

 グローバルブランドの「TSUBAKI」を中国に導入するなど、今後も成長戦略を図る。経済発展とともに、市場も拡大しており、世代的には、特に80年代以降に生まれた「80後」(バーリンフォー)と呼ばれる世代が、化粧品や美容へ高い関心を示していると言われる。彼女らの母親が若かった時代からある化粧品。嗜好の変化も激しい「80後」世代に、より深く受け入れられることが、さらなる躍進のポイントとなる。

<現地への貢献>
 そのための、現地化戦略にも抜かりない。11年には、中国進出30周年を記念し、現地でモデル、ヘアメーキャップアーティストを育てる「夢をかなえる人材育成プロジェクト」を開始した。モデルを中国での広告に起用し、現地で未来を担う人材とともに、存在感を高める。

 製品の力だけでなく、「人の生み出す力」を大事にしたところに、資生堂が「日本発」だというこだわりがある。
販売においての身だしなみや笑顔だけでなく、「人の動き、所作」をいち早く、ビジネスの場面で通用するモデルにまで引き上げた資生堂。さらに、製品を選ぶ時の楽しさ、商品を使うことの快適さ、肌をケアしたり、化粧で美しくなる時の満足感までを提供した。そのことが、資生堂の中国での地位を確固たるものにした。

 韓国、中国などの技術力での追い上げが激しい昨今。「今後、日本は何で稼ぐのか?」と問われたとき、茶道精神にもある日本的な「おもてなしの心」をアジアでも忘れなかった資生堂のサービス精神は、ヒントになるはずだ。

(了)
【岩下 昌弘】


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