中国・北京で2週間の日程で開催された第11期全国人民代表大会(全人代=国会)が14日、閉幕した。
大会期間中、北京では厳戒態勢が敷かれていた。北京以外の車両は、事前に特別通行書を取得しておかなければ、北京へ入ることはできない。また、包丁などを購入する場合は身分証の呈示が必要となるなど庶民にとっては不自由なことばかりだ。
全人代の代表人数は2978人、このうち公務員は2,491人、全体の80%以上の代表は公務員で構成されているという。インターネット上のブログサイトでは、「今回の全人代は、人民の代表ではなく、役人の代表の会議だ。『全国役人代表大会』の開催で、どうして北京市民が不自由な生活を強いられるのだ」と不満の声が上がっていたようだ。
全人代閉幕後の記者会見はこれが最後となる温家宝首相は、所得分配の不公平や汚職の問題の広がりについて「文化大革命のような歴史的悲劇が再び起こるかもしれない」と語って危機感を示し、政治改革の必要性を改めて強調した。また温首相は、重慶市の王立軍副市長が、四川省成都の米総領事館に駆け込んだ事件についても触れ、重慶市共産党委員会と政府に対し「反省」を求め、重慶市トップの薄熙来書記を暗に批判した。
この発言を受けてか、翌15日には、今秋の政権交代で最高指導部入りが確実視されていた薄熙来書記の更迭が発表された。すでに次期政権の派閥調整が垣間見えてくる。
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