＜業界の最適化～福岡地区進出への意欲も＞
　大分中央生コン協組のような、異常とも言える生コンのダンピングの原因について、味岡代表は、「セメントメーカーの責任も重い」と断言する。「3,000円や4,000円／m³で生コンを正常に販売できることはないです。業界に関係する人間なら誰でもわかることです。そんなことをしても、生コン工場が潰れず生き残っていたのは、セメント代金の棚上げが横行していたからです。棚上げだけでなく、工場へ金銭の貸付や補助を実施していたとの話も入ってきております。

　味岡代表が理事長を務める、熊本中央生コン協組においても、現在が事実上活動休止状態である。「ピーク時は、12,000円／m³で販売していたのです。全国の生コン協組が研修に訪れました。だが、周辺アウトサイダーの活動で価格が暴落し、組合内が揺らぎ始めました。私は猛烈に反対したのですが、ダンピング競争に耐え切れず、組合活動は組合員の多数決で休止となりました。このエリアは、5,500円／m³（設計は7,000円）まで下落。大分中央と同様に、品質においての信用不安が発生しております。熊本県が組合の再構築を望んでおります。熊本県警の工事（熊本東署新築工事）で使われている生コンは、5,300円／m³での販売です。全く大分中央と同じパターンです。県も本質に目を向け、12,000円／m³の価格に戻すことを希望しております。また民需も上昇傾向にあります。組合員と私とじっくり話し合いながら着々と再構築に向けて進んでおります。間もなく協同組合活動が再開する運びです」と味岡代表は語る。

　大分と熊本の事例で分かるように、生コン業界の最適化に対して心身を張った味岡代表の活動。─各社の社長との膝を突き合わせての対話で、生コン業界の適正についてじっくり話すというきめ細かな対応。その心を味岡社長は、「生コン業界に限らず事業とは、"欲と我慢の根競べ"です。我々の業界が、なぜダンピングに走ってはいけないのか。適正価格を決めて遵守する必要があるのかを根気よく説いていくしかありません。目先の利益だけ追い続けても何にも解決になりません。既に建設業界も安かろうだけでは厳しいことはわかっているのですから」と述べる。

　最後に福岡地区の進出についても「当然福岡地区への進出は視野にあります。今後も、積極的にアプローチして早期に進出を実現致したいです。アウトサイダーの披平産業の同地区協組加入がご破算になり再び、価格問題で頭を悩ませているようですね。私ならまとめる方策の腹案はありますよ」と福岡地区の最適化も視野に入れる。披平産業との交渉を、味岡社長に預けてみると、新たな展開が創出されるであろう。

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