＜中国経済新聞編集長・徐静波氏のプロフィール＞
　2000年にアジア通信社を設立、翌年、【中国経済新聞】を創刊した社長であり、編集長も兼ねている徐静波氏。まずは、そのプロフィールから紹介しよう。

　同氏は、中国浙江省生まれ。1992年に来日し、東海大学大学院に留学した。97年から連続16年間、中国共産党全国大会、全人代を取材している。この３月も、今回の全人代取材の為に１日から14日まで北京に滞在していた。

　同氏の面白さはジャーナリストに留まらないことだ。自称【日中ビジネス交渉人】である。ファーストリテイリングの柳井正氏著の《一勝九敗》を中国語に翻訳をした。そういことで柳井氏と濃密な関係にある。ユニクロの中国の展開の進出のコンサルを徐氏が一手に引き受けてきたとも言われる。

　筆者の友人・毎日の記者もまた徐氏とも親しい。「徐さんは経営コンサルに専念すれば良いのに」と口を挟むと「いや、彼はビジネスコンサルだけでは満足しないのだ。どこかにジャーナリストの拘りがあるのだ。だから儲けは無いのだが、中国経済新聞を発刊し続けているのである」と解説してくれた。

　さて、今回の記事は、その中国経済新聞からの引用である。

＜薄氏は野心家、時代錯誤の共産党追随手法を導入＞
　中国共産党中央は「北京の二大会」閉会翌日、薄熙来氏の重慶市委員会書記の罷免という布告を発表された。同氏はそのまま北京に留め置かれ、重慶に戻ることは許されていない。見事な決定であった。これで薄氏の中国共産党中央政治局徐海委員会入りは不可能になった。ほぼ失脚が確定したと言えるのではないか！！

　薄氏のことは前回、筆者との関係に関して触れた。薄氏は言うなれば「親父の七光り」で共産党組織の出世街道を走ってきた。親の共産党実績を背景にして出世できる組織は『太子党』と呼ばれている。一方、現在の中国国家の中枢部を握っているのは共青団と呼ばれるグループだ。中国共産党のトップである胡錦濤氏、温家宝総理は共青同出身である。この組織は共産党員の予備組織として青年を全国規模で組織している。

　ボンボン育ちの薄氏は胡・温両氏とは肌が合わない。どう重慶市で実績を造るか！！そこで打った手は「重慶市のマフィア抹殺」（治安持続）である。遼寧省から呼び寄せた王立軍氏に2年余りで5,700人のマフィアを逮捕したという輝かしい成果をあげさせた。しかし、その裏には冤罪・でっち上げがごまんとあった。成功した実業家が家族ぐるみで逮捕されたケースも多々ある。事業で成功した階層への妬みを庶民たちが強く抱いている。この嫉妬心を突いて事業家層を逮捕していたのである。

　薄氏の政治手法は「左派」と呼ばれているが、要は「中国共産党主導で国民を屈従させていく」という古典的な政治手法である。「【悪を懲らしめ人民が拍手喝采を浴びて共産党組織を権威づけさせる】この手法は時代の遺物だ」と胡・温両巨頭は判断し、薄氏を切り捨てたのであろう。次期国家主席の習一平氏も【太子党】であるが、見ないふりをした。中国共産党中枢部の連中は、強権を発動までして国を統治することは困難であることを熟知している。

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