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竹原信一氏・特別寄稿

前阿久根市長・竹原信一が語る「ひどすぎる国家のしくみ」(14)~人間社会システムの基本(循環性)
竹原信一氏・特別寄稿
2012年3月23日 16:38

 お金の仕組み同様に、公務員の身分保障は社会の循環性から切断されています。身分保障が、「公務員の立場から民を管理する必要がある」との思いを根に持つようにさせているのです。
 結局、人や組織の行動はタテマエではなく本当の動機によって決定されます。個人ごとの差異はあっても、組織になれば組織の利益を最優先にします。組織は責任のないことはしない。したくないこともしない。損をすることは絶対にやらない。そして、得になることは屁理屈付けてでもやってしまう。そういうものです。

人間社会システムの基本(循環性) 社会システムは、罰や監視、管理に注目するのではなく、幸福や利益、痛みを循環させて利害関係を共有させるのが大切です。綺麗ごとよりも現実。結局、尻すぼみになってしまった事業仕訳などを見るまでもなく、懲罰、監視、管理は悪事のモグラたたきにしかなりません。なぜそうなるかと言えば、公務員組織は増税など、民を突き離すことで、公務員自身の暮らしが良くなる仕組みになっています。つまり、彼らは住民との利害を分断されたなかで、本性に従った行動をしているだけなのです。
 社会制度設計の要は循環性です。自分の行動が全体に影響を与え、それが自分に返ってくるのを実感できるようにするします。そうすれば公務員組織は自然に正しく組織の欲求と国民の願いの折り合いをつけるようになっていきます。今は、住民と役所の間に政治家が入り込む事で利権にすり変えているようにさえ見えます。政治家本来の仕事は法律を作ること。システムを作ることであって、人気取りを狙って裁量権をふるう事ではありません。

 実を言えば、これの解決方法は単純です。民間の暮らしや景気が直ちに議員報酬と公務員給与に影響するように、政治家が給与決定手続きの法律を整備すれば良いのです。住民の収入実態を正しく示す計算式を作ればよろしい。権威ではなく現実によってコントロールがなされる。これが本来の公正さと言うべきものだと思います。

 「たくさんの自分が別々の体を持ち、別々の意識を持って暮らしている。そう考えてみると、どうすれば全部がひとつの心を理解できるようになるだろう。どんな手段で交流させれば良いだろう。ひとりが泣き叫ぶとき、全体がその声を感じるようにするにはどうすれば良いだろう」私はこんなことを考えています。

(つづく)
【竹原 信一】

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<プロフィール>
竹原 信一 (たけはら しんいち)
竹原信一氏前阿久根市長・1959年、鹿児島県生まれ。元航空自衛官(88年退官)。阿久根市議を経て08年、阿久根市長選で初当選。ブログでの情報発信や市職員の給与明細全面公開など数々の"掟破り"の手法で市政改革に取り組んだ。11年、市長リコールにともなう出直し選挙において864票差で敗れ失職。同年、鹿児島県議選に出馬するも落選。


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