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コダマの核心

傑物経営者シリーズ~作州商事(株)・樺島敏幸氏(3)~原理・原則を貫く経営者
コダマの核心
2012年3月23日 07:00

<樺島敏幸氏が育成した時代背景>
 銀行OBの再就職先での行動パターンは、(1)当てられた業務をこなして給料をもらう。(2)オーナーと衝突すれば、銀行に泣きついて「こんな横暴な会社にいたくない。別の会社を探してくれ。なければ現金輸送業務でもいい」などとわがまま放題に言いまくる。(3)OB会があれば、自分がお世話になってきた会社の悪口を憎々しく語る――というのが大半だ。ある会社の信用不安の源を手繰り寄せれば、『ある銀行のOB会が出所であった』ことがたびたびであった。

honsya.jpg そのなかで、『傑物経営者シリーズ』の初回を飾るにふさわしい樺島敏幸社長の生い立ちを探ってみよう。同氏は大牟田市出身、1947年8月生まれの64歳である。大牟田高等学校商業科卒で、1966年4月に福岡相互銀行(その後、福岡シティ銀行に商号変更)に入行した。最後は箱崎支店長、本部審査福部長などを経て、02年9月に現西日本シティ銀行を退行し、同年10月に作州商事に再就職したのである。その後の経歴は前述した通り。

 樺島氏が福岡相互銀行に入行したのは、幸せであった。どの銀行も、1980年以降は高卒の男性の採用はストップしている。だから、樺島氏よりも5年後輩あたりまでが高卒として活躍できたのである。そして、「なぜ福岡相互銀行で幸せだったのか?」に対する解答である。この銀行は、やる気のあるガッツマンの高卒をドシドシ支店長に採用して競争させるシステムを構築させていたのだ。若い者では、30代で支店長に昇格していたという。
 言うなればこの銀行は、『人間力』をフル活用していたのである。あるOBが回顧する。「いろいろと転勤して支店長に仕えました。振り返るに、尊敬できる支店長は皆、高卒の方々ですね。彼らは責任を持って仕事を行ない、各支店と激烈な競争をしていました。加えること、高卒のやり手の支店長は、非常に部下を庇ってくれたことが共通しています。大卒の支店長の下でも働きましたが、あいつらは本部ばかりを見て、言い訳だけを考えていました。部下には責任追及ばかりしていたのが印象に残ります。頭にきますがねー。福岡相互銀行が業績を進展させていた時期は、高卒の支店長を巧妙に使って働かせていましたね」。

 少し脱線する。このOBの談によれば、「1975年あたりから福岡相互銀行は東大卒を入行させてみたが、全部使いものにならなかった」となる。福岡相互銀行の四島頭取が恰好をつけ始めたので、おかしくなったのか――。

 どうであれ、樺島氏においても銀行内の高卒の先輩支店長に感化薫陶を浴びたと想像できる。バンカーとしての成長の見本が、周囲にたくさんあった。当然、樺島氏は発奮し、努力できた。これが、『福岡相互銀行に入行できた幸せ』の解答だ。

 (1)芯が強い、(2)嘘はつかない(正直)、(3)泣きごとは言わない、(4)顔に似合わず負けん気は強い――などなど、樺島社長の資質の特性は生まれついてのものである。そして、福岡相互銀行という組織のなかで訓練を受けた。(1)「目標設定したら、100%どうしても完遂させる」。(2)「そのためには、チームワークを大切にする。全員参加型を取り入れる」。(3)「徹底した現場主義にこだわる」。(4)「原理原則を貫く」――などの組織内での訓練・鍛錬を受けて、樺島氏は鍛えられた。最後の審査副部長を極めることで、企業の審査の目を養成完了した。「どういう経営者が伸びるのか、潰すのか」を自問自答するうちに、「自分が会社経営者になったとすれば、どういうことを禁じるか」を戒めていたのではないか。

(つづく)

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