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山内太地氏に訊く「勝ち残る大学」とは?(5)~メンタルの弱い日本のトップエリート
社会
2012年3月28日 14:59

<これからの世代に課せられた責務>
 多くの30~40代のサラリーマンたちにとって、大学で、「死ぬほど勉学に励んだ」と言い切れるだろうか。耳が痛い。「モラトリアムを謳歌した」人の方が多いのではないだろうか。

東京大学 中国や韓国より先に経済発展を遂げ、リードしてきた時代は許された。世代、時代による違いはあるはず。2017年には、中国・華東師範大学と米ニューヨーク大学が共同で上海に設立した上海ニューヨーク大学、シンガポール国立大学と米イェール大学が共同で設立した新大学「YALE-NUSカレッジ」の第1期生が卒業し、社会に出る。ハーバード大学も、上海に新キャンパスを作っている。

 日本は、素通りされている。この状況を大学の教育者たちは、どう見るのか。東京大学も国内だけで威張っていてもグローバル社会のなかでは、価値が薄い。

<環境を整えるのが大学の務め>
 今の、これからの大学生には、欧米だけでなくアジアの学生に負けないよう勉学に励む責任がある。それは、もちろん自分のためでもあるが、時代、世代に課せられた"責務"ではないだろうか。

 山内氏は、「江戸時代末の幕末期に、吉田松陰の松下村塾から高杉晋作ら優秀な人材が出たように、現代の教育界にもパンチのある人材に出てきてほしい。トップエリートを教育する大学にも、偏差値50近辺の大衆を教育する大学にも、頑張ってほしいですね。むしろ、トップエリートを育てる大学じゃないところへの期待が大きいです」と、語る。

 少年、老い易く学成り難し。次代を担う大学生たち。彼らが、世界に負けないような勉学に励むことのできる環境を整えるのが、大人たちの務めであり、与えられたカリキュラムだけでなく、しっかり自分から学ぶことが、若い世代の務めだろう。

 大学の変革はなるのか。社会に出ていく学生たちの人材教育のあり方を変えることは、それぞれの大学が生き残るための争いではなく、日本が生き残るための、必要な進化の第一歩なのかもしれない。

【岩下 昌弘】
 
<プロフィール>
山内 太地氏(やまうち・たいじ)
78年岐阜県生まれ。日本だけでなく世界各国の大学を見学、研究する大学研究家。著書に『下流大学に入ろう!』(光文社)など。共著『アホ大学のバカ学生』はベストセラーに。21日、『22歳負け組の恐怖』(中経出版)を刊行。
 
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