福岡を拠点に九州一円だけでなく、東京まで営業網を持つ麻生ラファージュセメント(以下麻生ラ社)。麻生ラ社の販売店の幹部は、この度の仏・ラファージュ社(以下ラ社)の出資減少について「不安はまったくないと言えば嘘になる。正直なところ、ラ社の株式保有が39%から5%へ減少したことは、サプライズであった」と語る。
そして「まだ麻生ラ社から説明を受けていないので推測の域は脱しないが、再び身内に戻ったという感が強い。今後、各販売店に対する支払い条件の見直しと価格の値上げをより一層強化してくるのではないだろうか。とくに与信面からシビアに選別を実施して、販売店に対するマネジメントがタイトになってくる予感がする。当社は、麻生ラ社の売上に占める販売シェアはそう大きくはないが、麻生ラ社への依存度が高い販売店は今後の展開について、軌道を修正していかねばならないかもしれない。ラ社という世界的なブランドのバックボーンが微小になり、麻生内単独で経営のハンドリングができるのか注視していく」と続けた。
また、麻生ラ社の資本金46億9,850万円と資本準備金26億1,341万円が、1億円の資本金のみになる。麻生ラ社は、今後も経営を続けていくのか。あるいは、同業他社のグループ傘下に吸収されるのか。決して良好なトピックではない。通常は、過去の累計損失を解消するためにまたは事業規模縮小時に行なわれる。財務内容が不明のため明言できないが......」とは、福岡地区の生コン業界関係者。
今年の2月27日の官報には、この資本金の減資について2月20日の株主総会で決議され、効力発生は3月28日と明示なっている。麻生ラ社は、「各方面で様々な憶測が流れているが、資本金および資本準備金の減資とラ社の出資比率減少後も、営業体制に変わりない。引き続きラ社との関係も継続され、今までと同様の製品とサービスを提供していく。ラ社が日本市場を見限ったという一部見解は、ニュアンスが違う」とコメント。麻生ラ社とラ社の今後の関係については、各方面で囁かれているネガティブなものではなかった。
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