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麻生ラファージュセメント出資比率減少から見る、セメント・生コン業界の今後(4)
清明がほえる
2012年3月30日 07:00

 「仏・ラファージュ社(以下ラ社)のスタンスは、日本市場の単体でなく日本および朝鮮半島(韓国・北朝鮮)を1つのエリアと見ています。今回、日本への出資比率を減少させるが、引き続き韓国では営業を行ないます。北朝鮮にも出資しております。韓国は、日本以上にセメントおよび生コン業界が冷え込んでおり非常にタイトな市況であると聞いております。それでも、市場から撤退せず営業を続けていく意向です。日本も朝鮮半島においてもラ社の経営戦略上、必要だから関係を断ち切ることはありません。実際ラ社は、北米のほとんどの関係会社の株式を売却、欧州の先進国のセメント事業部などの経営合理化で、2,000億円の負債を圧縮致しました。さらに2012年中に、1,000億円の負債圧縮をラ社のチェアマンが明言しております。また、インドやロシアへの新興市場への投資を実施しております。そのなかで、北米や欧州先進国から全撤退することはありません。ラ社は、セメントメジャー(スイス・ホルシム社、メキシコ・セメックス社、ドイツ・ハイデルベルグセメント社)の一角で建材業界のグローバルグループです。世界中でビジネスを展開しているのです。セメント・建材メーカーとして、グローバススタンダードの製品・サービスを提供していくことが使命であります。よって株式を売却し、事業の合理化を行なってもそれらの国・地域との関わりは続きます。確かな情報は、世界基準の製品とサービスを提供するにおいて、絶対に必要です。よってこの度の当社への出資比率減少の件においても同様のことが言えます。当社(麻生ラファージュセメント、以下麻生ラ社)とラ社の関係が終わることは現況ありません」(麻生ラ社関係者)。

 麻生ラ社とラ社。今後の関わりについては「ラ社は、5%の出資比率で合弁であることが1つ。そして今回新たに技術サポート契約を締結いたしました。2001年9月のラ社との合弁以来、製造技術において交流および共有が両社間でなされてまいりました。出資の比率が減少し、ラ社は日本市場を見限ったということが先走っておりますが、決してそうではありません。この技術提携サポート契約のよる技術力の更なる発展を共有していきます。今までラ社とは、環境および安全衛生など地球環境活動、製品および技術研究・開発を共有し実践しております。その姿勢、体制に変わりなく今後も続けていきます。よってお客様への製品・サービスなどの供給も変わることなく営業して参ります」と語る。

 その一方で、事実ラ社の出資が5%になることで、麻生側がほぼ単独で経営を行なっていくことになる。単独で事業展開していくことについては麻生ラ社関係者は、「我々はやっていける」と強く明言した。

(つづく)
 
【河原 清明】
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