焼肉業界の年間売上高が前年比92.3%と、▲7.7%も落ち込んでいる背景には2つの大きな事故がある。1つは2011年4月21日以降に起きた石川県金沢市の(株)フーズフォーラス運営「焼肉酒家えびす」の複数店舗で起きた集団食中毒事故である。5人が死亡、24人が重症というという同事故は、生肉を使うユッケが飲食店で提供できなくなるなど、業界全体に大きな影響を与えた。
また、東京電力・福島第一原発の事故の影響で、周囲の牧場から出荷された牛に基準値を超えるセシウムが検出されたというニュースが追い討ちをかけた。
(社)日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」(2011年、年間結果)では、飲食業全体の5月単月の売上高は前年同月比▲2%でとどまっているものの、焼肉に関しては前年同月比▲11.2%という落ち込みを見せた。年間を通じては若干回復しているが、上記の2つの大きな事故による影響が、長時間影響をおよぼしたことがわかる。
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